道・NTTがミライづくりフォーラム 教員自ら学べる環境を 帯広柏葉高・須藤校長ら発表
(道・道教委 2023-11-07付)

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教育ICTフォーラム

 道・NTT東日本主催による北海道ミライづくりフォーラム2023が2日、ロイトン札幌で開催された。自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)、教育ICT、ドローンの3テーマでデジタル技術を活用した先進事例を紹介。教育ICTの会場では帯広柏葉高校の須藤克志校長が地域全体でICTの底上げを図る「十勝ICT推進プロジェクト」について発表し、教員が自ら学ぶことのできる環境を構築・維持する管理職の役割を提起した。

 北海道Society5・0の実現に向けたデジタル活用の機運醸成を図るため官民連携で開いた初のフォーラム。

 開会式で鈴木直道知事は、デジタル技術を体感して地域課題の解決につながる契機となるよう期待。「北海道は課題解決の先進地だがハンディを強みに変えることができる。デジタル技術を活用した先進地となるよう、取組を一層進めていきたい」と述べた。

 人工知能や次世代光通信をテーマとする基調講演のあと「自治体DX会議」「教育ICTフォーラム」「ドローンフォーラム」をそれぞれ開催。このうち教育ICTフォーラムでは、道教委ICT教育推進課の山寺潤主査が本道におけるICT活用状況を説明したあと、奈良県立教育研究所教育情報化推進部の小崎誠二主幹が「今とこれからの教育を考える」をテーマに講演した。

 小崎主幹は、人間の幸福や喜びに資するデジタル化の意義を再確認するよう呼びかけ「より豊かに人と話し、好きな勉強をし、得意分野を伸ばすことがDXの目的。私たちの教育に生かすスタンスで取り組んで」と求めた。また、海外を視察した経験からGIGAスクール構想が諸外国から称賛される先進的な取組であることを伝え「公費で全ての児童生徒に端末を配布し、学校のネットワークを整備しているのは日本だけ。10、20年後は日本の子どもが世界に散らばりリードする時代が来るだろう」と予見した。

 続いて岩見沢市教委学校教育部指導室の池津卓弥主査がアプリを活用した健康観察の導入、民間塾の授業動画配信など学校内外の活用事例を発表。活用が急速に進んだ要因として市立教育研究所との連携体制を挙げ、教職員が日常的に学ぶ機会を確保する重要性を訴えた。

 つぎに帯広柏葉高校の須藤校長が地域全体でICTの底上げを図る「十勝ICT推進プロジェクト」について発表。校種を越えて管内の教員が参加するフォーラムや研修会の開催など活用の広がりを伝え「意欲のある教員が学ぶ環境をつくり、それを持続する場を設定するのが管理職としての役目。教員自ら取組を進める仕組みも必要」と説いた。

 会場には50の民間企業・団体が74のブースを出展。農業、防災、物流で活用が進みつつあるドローンの実機や、通信・発電・エネルギー分野における次世代技術を活用したサービスを紹介した。

 教育関連では9ブースを展示し、オンライン型の探究学習教材、勤務管理システム、ICT支援員の研修パッケージ、各種データを1画面で表示するダッシュボード実装の公務支援システムを紹介した。

(道・道教委 2023-11-07付)

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