道教委 全国学力調査報告書 全教科 全国差2P以内 12年間見据えた授業改善を(道・道教委 2023-11-08付)
管内別平均正答率の状況
道教委は7日、「5年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書」を公表した。7月にまとめた調査結果に基づき、札幌市を含む道内の全179市町村分の状況を分析。管内別では、石狩の小学校算数、中学校の全教科、檜山の小学校国語、算数と中学校国語などで全国以上となった。全ての教科で全国平均には達していないものの、平成19年度の調査開始以来、初めて全ての教科で全国平均との差が2ポイント以内となるなど改善の傾向が見られた。調査結果分析から本道の状況と改善の方向性を明記。小中高12年間を見据えた授業改善、望ましい学習習慣の確立を図る方向性を示した。
報告書は、全国学力・学習状況調査結果における全道・管内の状況を分析し、改善の方向性を示すとともに、教育委員会や学校の参考となるよう学力向上に向けた特色ある取組事例をまとめたもの。①北海道の学力向上の取組に関する改善の方向性②全道の状況③各管内の状況④各市町村の状況―の4章立てで構成している。
各教科の平均正答率と質問紙調査をクロス分析したところ「家で自分で計画を立てて勉強している」「先生は自分の良いところを認めてくれている」との設問に肯定的に回答した児童生徒ほど平均正答率が高く、さらに最も肯定的な回答をしている層は全教科の平均正答率を上回った。また、授業で主体的・対話的な学習に積極的に取り組んでいた児童生徒、「自分に合った考え方・教材・学習時間だった」と回答した児童生徒にも同様の傾向が見られた。
ICTを活用した学習状況をみると、授業の各場面での活用など多くの項目で全国平均を上回った一方、端末の持ち帰りは全国を100とした場合に小学校67・1、中学校85・6と大きく下回っている。
各教科における管内状況では、小学校の国語、算数、中学校の国語、数学において前年よりも平均正答率の管内差が縮小した。
教科ごとに平均正答率が全国平均を上回った管内をみると、小学校国語は檜山、上川、釧路の3管内、算数が石狩、檜山、上川の3管内。中学校では、国語が石狩、檜山、十勝の3管内、数学が石狩、十勝の2管内、英語(聞くこと、読むこと、書くこと)が石狩のみとなった。
平均正答率が全国平均を上回った市町村数は、小学校の国語が70市町村、算数が67市町村、中学校は国語が70市町村、数学が52市町村、英語が43市町村となっている。
◆4視点に基づき 改善の方向性
また、報告書では、「検証改善サイクル」「授業改善」など4つの視点に基づく改善の方向性を踏まえ、小中高12年間を見据えた今後の取組のポイントを記載している。
道教委では「問題を発見・解決したり、考えを他者と伝え合ったりするなど、知識および技能を活用し、理解を深めていく学習過程を設定する」「自分で考えたことや感じたことを適切な表現で伝え合う場面を設定する」など、授業改善、望ましい学習習慣の確立を図る方向性を示している。
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児童生徒質問紙調査・学校質問紙調査
(道・道教委 2023-11-08付)
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