学力調査分析、実践発表で意識共有 系統性ある授業改善へ 胆振局第2回EBE協議会(道・道教委 2023-11-07付)
12年間を見据えた指導の充実へ意見を交わした
【室蘭発】胆振教育局は10月23日、エビデンスに基づく資質・能力育成事業の第2回管内EBE協議会をオンラインで開催した。管内小・中学校、高校の教頭や教務主任、学力担当教員ら218人が参加。全国学力・学習状況調査などを踏まえた指導方法の改善点や、3校の実践発表をもとに校種を越えた連携の在り方を共有。小中高12年間を見据えた指導のさらなる充実、授業改善に向けて研鑚を積んだ。
道教委は本年度、“子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業を開始。1人1台端末を効果的に活用した検証改善サイクルの確立と授業改善、エビデンスに基づく資質・能力育成など4つの柱のもと、学力向上推進事業の後継4事業を展開している。
EBE協議会は、小中高校の12年間を一体的に捉えた児童生徒の学力や学習状況等の分析結果を踏まえ、組織的な授業改善や学力向上等に向けた校内体制の整備、具体的な授業改善の方法などを協議。児童生徒に必要な資質・能力の育成に資することを目的に、年3回開催する。
第2回会合には、各校の教頭や教務主任、学力担当教員ら218人が参加。6月に開かれた第1回会合を踏まえ、各校の学力向上に向けた取組などを交流した。
鈴木理抄義務教育指導班主査は、4年度に実施した道高校学習状況等調査や、ことし4月に実施した全国学力・学習状況調査の管内結果や課題等について説明した。
小学校算数では、テープの中に書かれた2つの三角形の面積を比較し、結論に至った理由を説明する記述式問題で無回答率が高かったことを強調。「暗記した公式を使った機械的な計算練習ではなく、解決に向けて必要な要素を考え、見通しを持つなど、児童生徒が問題を焦点化する過程や、答えに至った過程を説明する学びを大切にして」と呼びかけた。
◆3校が取組紹介
実践発表では、苫小牧市立青翔中学校の石川明子教諭、伊達市立伊達中学校の白井賢司主幹教諭、室蘭清水丘高校の水野博彰教諭が、自校における具体的な取組を紹介した。
石川教諭は、小中高による授業参観および乗り入れ授業の実施や、高校での学びを見通した小・中学校における系統性のある取組を検討していることを発表。青翔中校区のエリア会議に苫小牧南高校の教諭を招き、地域で育成を目指す児童生徒の資質・能力について協議したことを示した。
白井主幹教諭は、2年度から伊達市で取り組んでいる「ふるさと創生教育“だて学”」の取組等を発表した。本年度は、伊達市の教頭会議に伊達開来高校の教頭を招き、各校の取組を共有。取組の全体像をまとめるなど、12年間における系統的な指導の充実を図っていることなどを紹介した。
水野教諭は、同校の授業公開に向けて中学校教諭と学習指導案を検討するとともに、授業参観後には、義務教育段階から系統立てて育成するべき資質・能力について協議するなど、中学校と高校が一体となって行う授業改善の取組を発表した。
このあと、14グループに分かれて協議。自校の取組や、今後グループで進めたい取組などについて議論を深めた。
丸山敏儀教育支援課長は「誰一人取り残すことない学びの実現に向けて、小中高校の連携やICTの効果的な活用など、今後とも管内全体で12年間を見据えた授業改善の取組を進めてほしい」と期待した。
(道・道教委 2023-11-07付)
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