道教委 がん教育実践校授業検討会議 系統性意識した指導を 外部講師との連携授業等報告(道・道教委 2023-11-22付)
道教委は14日、がん教育等外部講師連携支援事業の一環で本年度第2回がん教育実践校授業実践検討会議をオンラインで開催した。本年度実践校や所管教育局の関係者らが参加。外部講師と連携した授業に関する実践報告や、1単位時間の授業構築に係る検討状況などを確認し、小中高における系統的ながん教育の推進に向けて研鑚を積んだ。
中学校・高校の学習指導要領においては、がん教育に関する内容の充実が求められており、予防のための適切な生活習慣や、早期に異常を発見する健康診断・がん検診の重要性を示している。
道教委は、文部科学省の委託を受けて平成26年度から「がん教育総合支援事業」を展開。本年度は、実践校として厚沢部町立厚沢部中学校、本別町立本別中学校、札幌南陵高校、羽幌高校の4校を指定し、学習指導要領に対応した実践研究などを進めている。
第2回授業実践検討会議では、外部講師との連携授業を実施した厚沢部中、札幌南陵高による事例報告に続き、各校が1単位時間の授業構築に係る検討状況を報告した。
厚沢部中では、8時間扱いの単元「健康な生活と疾病の予防」のうちの1時間として計画。望ましい生活習慣の定着に向けた食生活の改善、睡眠時間や運動機会の確保を理解させることを目標に、ICTを活用した学習やワークシートの提出を想定していることを示した。
本別中では、がん教育を2時間扱いで学習することを説明。前半ではペアワークやグループワークを通して、がんに関する知識や予防に向けて自分たちで何ができるかを考えさせた上で、後半に予定している地元の病院関係者による講話につなげる展開を報告した。
札幌南陵高では、4時間扱いで学習する計画。生活習慣病に関する指導、細胞増殖や転移といったがんの仕組みに関する指導を踏まえ、治療の在り方や緩和ケアなど様々な視点で考える学習を想定しており、ペアワークやグループワークで考えを広げる展開を検討していることを示した。
各校の報告に基づき、新潟医療福祉大学健康スポーツ学科の杉崎弘周教授が助言。
「“がんの要因や予防に向けて適切な生活習慣とは何か”など、導入部分で問いかける授業展開を検討しては」「自治体の協力のもと、町全体で学習を展開したり、保護者に伝えたりすることで、本道ならではのがん教育につながるのでは」「緩和ケアの在り方を共生社会の一つに位置付けてみては」などと述べ「小中高の系統性を意識して指導することで、児童生徒の健康保持・増進につながる」と訴えた。
第3回授業実践検討会議は、来年1月下旬を予定している。
(道・道教委 2023-11-22付)
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