道立学校の簡易冷房　職員室にも導入へ　道教委　既決予算財源に

（道・道教委 2023-12-11付）

　道教委は全道立学校の普通教室に整備予定の簡易型冷房を職員室にも導入することを計画している。新たな予算は計上せず、計上済みの既決予算を財源として充てる予定で、職員の健康保持に資する環境の整備を図る。７日の教育委員会の会議で明らかにした。

　提案中の道補正予算案では、道立学校空調整備費として２６億４３００万円を計上した。

　来夏に向け全ての道立高校・特別支援学校の普通教室・寄宿舎に窓枠型のスポットクーラーなど簡易型冷房を設置するほか、７年度稼働に向けて特別支援学校２５校の普通教室の冷房整備を計画している。

　予算案では職員室における簡易冷房導入の予算は措置されていなかったが職員の健康保持の観点から、校長室を含む職員室にも簡易冷房を導入する。

◆水分補給や冷房病　個別対応が必要

　会議では道教委の各委員が熱中症対策について意見。

　渡辺一人委員は、熱中症対策のため十分な水分摂取が必要とし「感染症対策のため水道から水分を補給することに否定的な児童生徒もいると思う。熱中症予防のため水分摂取に関する教育を進めてほしい」と学校現場への周知を求めた。

　清水彰委員は、ハード面の対応が加速化する中、個々の状況に応じたソフト面の対応が必要とし「児童生徒によって対応が異なるため個別的対応も必要になる。熱中症にどう対応するか、自分の体を守り、維持する教育も持続的に進めていく必要がある」と指摘した。

　大鐘秀峰委員は、子どもたちの生命・健康を守るためソフト・ハード両面の対策を一層推進するよう期待するとともに、今後は特にソフト面の対応が出てくるであろう関係者との情報共有や情報提供を充実させるよう求めた。

　川端絵美委員は、冷房の整備が各地で進む中、室内外の気温差によって体調が悪化する「クーラー病」の発生を懸念。「体温が冷え過ぎて体調が悪くなることもある。涼しい環境でも水分補給が必要になることもある。自分の健康維持に結び付けるような指導をぜひお願いしたい」と求めた。

(道・道教委 2023-12-11付)