探究チャレンジ 特支学校課題探究成果発表会 脱炭素の研究成果PR 全道に旭川高支、あいの里高支
(道・道教委 2024-01-15付)

 道教委は昨年12月21日、S―TEAM教育推進事業「社会との共創」推進プロジェクトの一環で、特別支援学校課題探究活用型成果発表会をオンライン開催した。道内の特別支援学校6校がこれまで取り組んできたゼロカーボンに関する探究活動の成果を発表。審査の結果、雪冷房と再生野菜の活用について発表した旭川高等支援学校と札幌あいの里高等支援学校の2校が2月の探究チャレンジ・ジャパンへの出場権を獲得した。

 特別支援学校高等部の生徒が取り組んだ探究活動の成果を発表・交流する機会を設定し、言語活動、情報活用能力、問題発見・解決能力の育成を図るとともに、探究活動の成果を新たな探究に結び付け、生涯にわたって能動的に学び続ける資質・能力を育成するもの。

 この日は、道内の6校の特別支援学校から生徒57人が参加。釧路鶴野支援学校、中札内高等養護学校、紋別高等養護学校、函館高等支援学校、札幌あいの里高等支援、旭川高等支援の順に発表した。

 各校の生徒は、ゼロカーボンに関する探究活動の成果を発表。発表した6校のうち、旭川高等支援と札幌あいの里高等支援の2校が2月1日に札幌市内で実施予定の探究チャレンジ・ジャパンへの出場権を獲得した。

 旭川高等支援は、夏は暑く、冬は寒い旭川市の地域性に着目。「雪を夏まで残すことができれば、暑い夏でも快適に過ごせる」と考え、冬に降った雪を夏まで保存する研究に挑戦した。

 研究では、コメの最も外側にある皮の部分「もみ殻」をネットに入れて雪を保存。もみ殻が崩れないように定期的に補修作業を行い、目標の7月に、縦2・4㍍、横3㍍、高さ1・5㍍程度の雪を残した成果を発表した。

 生徒たちは「飲み物や体を冷やすことなど日頃から氷で行っていることの多くは夏まで残した自然の雪で代用でき、二酸化炭素の排出を抑えて雪を保存し、旭川の暑い夏に様々な方法で利用できることが確認できた」と力強く語った。

 札幌あいの里高等支援は、学校事務職員や栄養教諭へのインタビュー結果をもとに、給食を作る際に出た生ごみや中庭に生えている雑草を堆肥にする取組のほか、再生野菜の栽培と活用方法について研究を進めた。

 生徒たちは、雑草が生えている中庭の緑化について「学校で出るごみを新たな価値のあるものに変え、校内の環境の美化にもつなげることができ、より良い学校づくりに貢献できた」と胸を張った。

 発表後には、道教委高校教育課の岡本浩一課長補佐が各校の発表を講評。「探究活動の中で様々な人とつながることで可能性が広がる。今後、そのつながりを後輩につなげて研究をさらに進め、可能性を一層広げていってほしい」と期待した。

(道・道教委 2024-01-15付)

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