道教委 健康教育推進研究協〈空知〉 最小限の食事制限大切 食物アレルギーで北大・竹崎氏(道・道教委 2024-01-11付)
道教委・健康教育推進研究協議会
【岩見沢発】道教委は昨年12月上旬、岩見沢市民文化センターまなみーるで健康教育推進研究協議会(空知会場)を開催した。北海道大学大学院医学研究院小児科学教室の竹崎俊一郎特任助教が「アレルギー」をテーマに講演。このほか、各校の実践発表を行い、学校・家庭・地域が連携・協働して対応するための知見を共有した。
協議会は、講義・演習・協議などを通じて、各学校や地域の実態等に即した健康教育推進のための方策を学び、学校における健康教育・食育の充実を図ることを目的としている。
空知会場では「アレルギー」をテーマに実施。会場・オンラインを含め、道内の養護教諭や栄養教諭ら約170人が参加した。
はじめに健康・体育課の中野超課長補佐があいさつ。視力の低下や生活習慣の乱れなど児童生徒の課題に触れ「学校・家庭・地域が一体となって、課題解決のため取組の充実を図ってほしい」と期待した。
続いて、道教委健康・体育課の担当者が学校における健康教育の充実について説明。多様化・複雑化する健康課題への対応に向けて養護教諭や栄養教諭の役割を説いた。
つぎに北大大学院医学研究院の竹崎特任助教が「食物アレルギーのまとめと私が行っている食物アレルギー診療の実際と課題」と題し講義した。
道は食物アレルギーが全国平均の約2倍あること、さらに増加傾向にあることを説明。「急性期症状の対応とスキンケア、必要最小限の食事制限が重要である」と伝えた。
また、食物アレルギーを治癒し得る経口免疫療法を紹介。「どの程度食べてどんな症状が出るか知ることができるが、アレルギー症状を伴う。分かっていないことが多いため、書面の同意が必要でどこでも行える治療ではない」とメリット・デメリットについて説明。「日常生活で頻度の高いアレルゲンに限るが、リスクを負っても行うメリットはある」と独自の考えを述べた。
最後に食物アレルギー診療の課題として、特殊性があり診断が困難、完全除去は不可能、軽微な急性症状はいつでも起き得る、確立した治療法がないなどを挙げた。
実践発表では、旭川市立東町小学校の加納亜梨沙養護教諭と星置養護学校の丸山明美栄養教諭が各校で実践した具体的な内容を解説した。
(道・道教委 2024-01-11付)
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