事業に対する思い、将来の夢(道・道教委 2024-01-09付)
マイスター発表会 梅木さん
マイスター・ハイスクール事業成果発表会では、静内農業高校の食品科学科3年の梅木優歌さん、生産科学科3年園芸コースの山本唯人さん、生産科学科3年馬事コースの牛尾夢我さんが「マイスター・ハイスクールを通して感じたこと、学んだこと」と題して、それぞれ事業に対する思いや将来の夢などを語った。
内容はつぎのとおり。
◆食品科・梅木さん 商品開発の世界へ
マイスター・ハイスクール事業を受ける前、私は重度の人見知りでした。人前に立つことが怖く、自分の意見を言葉にすることが一切できませんでした。
しかし、静内農業高に入学し、マイスター・ハイスクール事業で講義を受けるうちに自分の意識に変化が起こり、人と話すことでの情報共有、販売会や実習ではリーダーとして前に立つ挑戦をしていけるようになりました。
特に私が自分で変わったと感じるようになったきっかけは、生活協同組合コープさっぽろの商品開発の講演会です。この講演会をきっかけに商品の見え方と人との関わり方に変化が起きました。
講演を聴き、商品開発に魅力を感じ、その時から、日常の中で見かける商品がなぜ売れているのかを観察したり、食品開発に関するニュースを見ることや食品業界の多くの人の話を聞くようになりました。
マイスター・ハイスクール事業を通じて、商品開発に対する熱意が高まり、当初考えていた美術系の学校への進学ではなく、酪農学園大学の食と健康学類で食品について学び、将来食品の商品開発に関わっていきたいと思うほど、この事業は自分の進路に大きな影響を与えました。
これからも多くの人と関わり、知識や技術を身に付けるとともに、自分自身のリーダーシップを磨き、スキルを身に付け、商品開発の世界で活躍できるよう努力していきます。
◆生産科・山本さん 夢は農業経営者
私は以前、農業には興味がありませんでした。祖父の実家は北海道南部の厚沢部町にあり、農家を営んでいましたが、汗水を流して働いている様子や、安い賃金で農産物を買われているという現状を聞いて、日本の農業には未来がないという印象を持っていました。
しかし、㈱ROSELABOの田中綾華代表取締役社長の講義を受けた時に衝撃を受けました。ROSELABOの取組では、バラを作るだけではなく、加工することで化粧品などを販売しており、自分の想像している農業とは全く違う光景を見ました。
田中社長の講演で、農業の6次産業化という概念を学び、強い興味を抱くようになりました。田中社長の「農業は何にでもなれる」という言葉に触れ、農業に対する新たな興味を持ち、農業が多様性に富んだ職業であることを理解しました。これを機に、教員の道ではなく、6次産業化を行い付加価値の高い商品を生産する農業経営者になる夢を追求し始めました。
マイスター・ハイスクール事業を通じ、以前はあまり自分から積極的に話をすることはありませんでしたが、講演会などで学びが深まるにつれ、多くの疑問を持つようになり、疑問を解消するために自分からどんどんアプローチしていけるようになり、積極的な姿勢が身に付いていきました。
また、自分が本当に追求したい将来の夢を見つけることができ、現在は6次産業化を専門的に研究している東京農業大学の自然資源経営学科の6次産業化研究室で学びたいと考え進路活動に励んでいます。
このマイスター・ハイスクール事業を支えてくださった関係者の皆さまに深く感謝の意を表します。これからは農業経営者の夢に向かって努力し続けるとともに、後輩たちにも自分の知識や経験を引き継いでいきたいと思います。
生産科・牛尾さん 競走馬の育成へ
私は、幼少期からウマが好きで、将来は競走馬を育成する牧場で働きたいと考えていました。
静内農業高を知るきっかけとなったのは、テレビで放映されていたドキュメント番組でした。そこでは、競走馬の育成を学ぶため全国各地から集まった高校生たちが映し出されていました。私は、この高校に入学して将来のためにウマのことを学びたいと思い、神奈川県から親元を離れ、静内農業高に入学することを決意しました。
2年生になってから馬学や馬利用学など、ウマに関わる授業が本格的に始まりました。その中でもマイスター・ハイスクール事業で多くの実習をJRA日高育成牧場で受けました。
そこでは、競走馬育成に関わる職員の知識の多さや技術の高さに触れることができました。
また、JRA日高育成牧場の金子大作装蹄師のひづめの授業で「ウマには様々な関わり方がある」「ウマに関わる職業をしている全ての人がホースマン」という言葉が自分の将来を見直すきっかけになりました。
私は高校卒業後、JRAに就職が決まっています。就職後は、マイスター・ハイスクールの時にお世話になった職員さんのように、ウマを取り扱う上で必要な知識や技術を身に付けたいです。
そして身に付けたことを発揮し、子どもたちへ馬文化の普及や強い競走馬の育成に貢献していきたいです。
(道・道教委 2024-01-09付)
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