特別支援教育授業改善セミナー 楽しく授業に臨む工夫 北斗上磯小で授業公開 渡島局主管
(道・道教委 2024-02-02付)

渡島局主管特別支援授業改善推進セミナー
渡島局主管特別支援授業改善推進セミナー

 【函館発】道教委は1月30日、特別支援教育に関する授業改善推進セミナーをオンラインで開いた。北斗市立上磯小学校の久保暁教諭が同校の知的障がい特別支援学級における授業を公開。参加者は児童が学習意欲を高め、楽しく授業に臨める細かな指導支援の工夫を参観し、今後の指導改善に役立てた。

 研修は渡島管内における特別支援教育のリーダー的役割を果たす教員の授業公開や大学教員をはじめとする参加者との協議を通して、教員の特別支援教育の専門性向上を目指すもの。渡島教育局が主管。

 管内の小・中学校、特別支援学校の教員ら約10人が参加した。

 授業動画は上磯小の久保教諭が指導する知的障がい学級低学年の算数を配信。容器の形が異なる水のかさを比較する方法について考える単元で児童が自己肯定感を高め、見通しを持って学習に臨める工夫を施した。

 久保教諭は形の異なる三つの瓶の水量を調べる方法を児童に質問。「同じ容器に入れて比べる」「異なる大きさの容器に入れて比べる」の2点の選択肢を提示し、児童が好きな方法で取り組めるようにした。

 2人の児童が「同じ容器で比べたい」と発言すると、その理由を質問。回答を聞いたあと「2人とも自分の意見が言えて素晴らしい」「先生もその意見に賛同します」と学習意欲を高める声かけを心がけた。

 同じ形式の三つの容器に、それぞれ水を移し替える活動では、児童が理解を深められるよう、手順をデジタルサイネージで可視化。

 大きさや形の異なる容器は同じ大きさの容器を使うことで量の違いを比較できることを確認。授業後は熱心に授業に取り組んだ児童の姿勢を「とても立派です。つぎの算数も楽しみだね」と褒めた。

 協議では教師の発問と授業の流れ、視覚的支援の工夫などについて意見交換。参加者の「簡潔で分かりやすい説明の工夫がされていた。児童がわくわくできる授業の仕掛けを教えてほしい」との質問に対し、久保教諭は「パフォーマンスを入れたり、普段見たことのない教材を使ったりすることも手だての一つ」と助言した。

 「児童の意見を尊重する点がさらに主体的な態度を育む」「子どもたちが活動手順を忘れそうになると、デジタルサイネージを指したり、普段とは異なる教材用具を用意したりしていた点が参考になった」などの肯定的な意見や細かな支援に努める日常的な授業の工夫について多くの質問が寄せられた。

(道・道教委 2024-02-02付)

その他の記事( 道・道教委)

檜山局 管内学校安全推進会議 子の命預かる認識を 実践的な防災教育考える

檜山局学校安全推進会議  【函館発】檜山教育局は1月31日、管内学校安全推進会議をオンラインで実施した。函館地方気象台の浅井義孝防災気象官が講師を務め、檜山地域の自然災害に関するデータをもとに、災害に備えるために必...

(2024-02-05)  全て読む

道教委など 探究チャレンジジャパン 道知事賞に函館中部高 地域や社会課題解決へ発表

探究チャレンジ・ジャパン①  道教委と北海道大学は1日、北大学術交流会館でS―TEAM教育推進事業成果発表会兼探究的な学習活動におけるIT・データサイエンス活用促進事業成果発表会「探究チャレンジ・ジャパン」を開催した。...

(2024-02-05)  全て読む

道・北東北縄文遺跡群サミット 世界遺産の魅力PR 千歳第二小、南茅部高など 道教委

 道教委は1日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産がある北海道、秋田県、岩手県の小中学生をオンラインでつなぐ「世界遺産子どもサミット」をオンライン開催した。道内からは千歳市立千歳第二小...

(2024-02-05)  全て読む

新時代高校改革コンソーシアム会議 普通科改革の成果確認 釧路湖陵高 6年度計画共有も

 【釧路発】釧路湖陵高校(塙浩伸校長)は1月27日、同校で「新時代に対応した高校改革推進事業(普通科支援事業)」コンソーシアム会議を開いた。コンソーシアムプロモーターメンバーら約30人が出席...

(2024-02-02)  全て読む

道教委 働き方改革促進会議 テレワーク検討へ試行開始 新アクション・プラン策定へ詰め

働き方改革会議  道教委は1月31日、道庁別館で第3回学校における働き方改革促進会議を開催した。パブリックコメントをもとに修正した学校における働き方改革「北海道アクション・プラン(第3期)」案を審議。テレワ...

(2024-02-02)  全て読む

「きたものがたり」の実践発表等 本道版教材の活用探る 道教委 道徳教育推進会議

道道徳教育推進会議  道教委は1月24日、オンラインで道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業第2回道道徳教育推進会議を開いた。各管内における道徳教育推進の中核として期待される小・中学校教諭や市町村教委指導主事...

(2024-02-02)  全て読む

学びDXへ 道教委が全道協議会 組織的なICT活用へ 取組を自分事に 先進事例共有

GIGAスクール連絡協議会  道教委は1月29日、ICTを活用した学びのDX事業第2回全道協議会をオンラインで開催した。文部科学省のリーディングDX事業の指定校である旭川市立緑が丘中学校、帯広柏葉高校が授業・校務におけ...

(2024-02-01)  全て読む

道教委 架け橋期の教育充実へ 管理職研修を初開催 幼保小連携へリーダーシップを

 道教委は1月30日、小学校管理職研修「生涯にわたる学びや生活の基盤をつくる架け橋期の教育の充実に向けて」をオンラインで開催した。東海大学児童教育学部の寳來生志子准教授が子どもの主体性を発揮...

(2024-02-01)  全て読む

道子の未来づくり審議会 少子化対策条例等 検討を開始 “子ども主体”を全面に

 道は1月30日、札幌市内のかでる2・7で第4回道子どもの未来づくり審議会を開き、「北海道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例」、次期「北の大地☆子ども未来づくり北海道計画」等の検討...

(2024-02-01)  全て読む

道特別支援教育振興協が研修会 保護者に十分な説明を 支援員活用で特セン・宮町氏

 道特別支援教育振興協議会(会長・大石正行鶴居村長)は1月26日、オンラインで第2回研修会を開いた。道立特別支援教育センターの宮町悦信研究員を講師に招き、特別支援教育支援員の役割等を確認。宮...

(2024-02-01)  全て読む