大樹町6年度教育行政執行方針 大樹学 新組織と連携 部活動地域連携協核に検討
(市町村 2024-03-22付)

大樹町沼田拓己
沼田拓己教育長

 【帯広発】大樹町教委の沼田拓己教育長は6年度教育行政執行方針において、小・中学校「大樹学」の充実を目指し、教育資源を生かしたオール大樹による支援体制の構築に加え、新組織と連携することを示した。また、中学校部活動の地域移行に関しては、町部活動等地域連携推進協議会を核に具体的な検討を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

 学校力向上に関する総合実践事業の取組を生かして、組織的な校内研修を推進するとともに、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める。

 個に応じた、きめ細かい指導の充実については、国の学級編制基準に満たない学年を、町の自主財源で教諭を雇用して2学級編制とするとともに、できる限り人材を確保し、必要な支援員の配置に努める。

 外国語教育の充実については、外国語指導助手2人体制のメリットを最大化し、認定こども園や大樹高校における英語授業への派遣、小中学生向け英会話教室の開催、英検受検の奨励などに取り組み、生きた英語に親しむ教育環境の充実と異文化理解や英語による基本的なコミュニケーション力育成に努める。

▼豊かな心の育成

 教育活動全体を通じて、自立した人間として他者と共に生きていく基盤となる道徳性を養う教育を推進する。

 全ての子どもたちが「いじめは許さない」という意識を持ち、望ましい人間関係を構築するなど、いじめの未然防止に努める。

▼健やかな体の育成

 体力向上の取組については、新体力テストの結果を励みに、子どもたちに自己目標を持たせるとともに、楽しく運動できる機会の提供やICTを効果的に活用した体育・保健体育授業の実践等により、運動習慣の定着を図る。

▼特別支援教育

 全教職員による障がい特性を理解することを基盤とした実践的な研修によって指導力向上に努め、個々の教育的ニーズに応じた指導、支援の充実を図る。

 個別の教育支援計画を活用し、医療福祉等関係機関との連携を促進し、切れ目のない一貫した指導や支援の充実に努める。

▼教育DX

 1人1台端末、デジタル教科書、学習ソフトなどICTを活用した学習の充実を図る。教員研修の支援、ICT機器の有効活用やトラブルに対応するGIGAスクール運営支援センターの設置を継続し、ICT活用に関する子どもの資質・能力の向上、教師の指導力向上、学校事務の効率化を図る。

▼学びのセーフティーネットの構築

 子ども同士の良好な人間関係や子どもと教員との信頼関係を構築し、全ての子どもにとって居場所のある学校づくりに取り組むことで、不登校児童生徒への支援の充実に努める。学校に配置するスクールカウンセラーを活用し、学校と家庭、福祉・医療等関係機関との連携強化を図る。

 関係機関との情報共有する体制を整え、ヤングケアラーなど悩みを抱える児童生徒の早期発見、早期対応に努める。

▼教育環境・学校施設・設備の充実

 小・中学校の全ての通常学級、特別支援学級、一部特別教室にエアコンを設置するとともに、中学校校舎のバリアフリー改修を行い、子どもたちの学習環境向上に努める。

▼小中高連携教育の推進

 小・中学校の「大樹学」と大樹高の「総合的な探究の時間」の系統を整理し、小中高12年間にわたるカリキュラムを編成、実施し「大樹学」を核とした小中高で連携した教育を推進する。

 「大樹学」の充実に向けては、基幹産業である第1次産業や豊かな自然を生かした観光業、全国的にも注目されている宇宙関連産業、多様な人材などの教育資源を生かしたオール大樹による支援体制を構築するとともに、これまで、貴重な体験活動を提供してきた南十勝長期宿泊体験交流協議会(STEP)の事業を発展的に継承する新組織と連携し、大樹学の充実を図る。

▼地域の教育力の向上

 小・中学校にコーディネーターを配置して学校運営協議会を活性化し、学校教育に対する保護者・地域住民の理解・関心を高めるとともに、学校の働き方改革促進につなげる。

▼大樹高校の充実・活性化への支援

 6年度、大樹高に普通科地域探究科が設置される。これを大樹高の持続化、生徒増のチャンスと捉え、大樹高校活性化推進協議会による支援の充実と小・中学校との連携強化等を通じて、大樹高の特色化、魅力化、活性化に努める。

▼スポーツ活動の推進

 中学校部活動の地域移行に関しては「町部活動等地域連携推進協議会」を核として、子どもや地域住民のニーズと本町の状況を踏まえた体制、取組について具体的に検討する。各種スポーツ大会を支援するとともに、全道・全国大会出場選手に対する助成も引き続き行う。

(市町村 2024-03-22付)

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