幕別町6年度教育行政執行方針 義務校8年度開校へ 子の意見取り入れ実施設計
(市町村 2024-03-22付)

幕別町菅野勇次
菅野勇次教育長

 【帯広発】幕別町教委の菅野勇次教育長は6年度教育行政執行方針において、幕別小学校および幕別中学校を統合した義務教育学校の8年度開校に向けて、実施設計に着手する方針を示した。設計に当たっては、開校準備委員会や児童生徒の意見を取り入れ、特色ある学校づくりに配慮する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼「生きる力」を育む学校教育の推進

 小中一貫教育の推進については、教育課程の充実として、各学園で学力などの課題を明らかにし、解決に向けた指導の重点や教科ごとに対応した小中一貫教育カリキュラムの完成を目指すとともに、各学園で教科や実施日時などを具体化させた年間計画をもとに乗り入れ授業を推進する。

 生徒指導の充実として、いじめや不登校に対しては、学園内の小中合同生徒指導部会を中心に取り組むこととし、小・中学校の円滑な接続を図るため、必要に応じて、児童生徒などに関する情報共有を行い、児童生徒にとって学びやすく配慮された教育環境を整えるとともに、スクールカウンセラーの積極的な活用のほか「まっく・ざ・まっく」、町発達支援センター、児童相談所などの関係機関とより一層の連携を図る。

 特別支援教育の充実として、進路を見通した、定期的な個別の支援計画と指導計画の検討や保護者面談を行い、一人ひとりの特性、困り感に応じた自立活動を具体化させ、学園内の小・中学校の円滑な接続に努めるとともに、通常学級に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の学習や学校生活を支援するため、小学校6校に36人、中学校3校に7人の特別支援教育支援員と、医療的ケア児を支援するため小学校1校に看護師1人を配置する。

 コミュニティ・スクールの推進については、各学園において、9年間で目指す児童生徒の姿を実現するため、熟議を通して、学校が必要としている地域の教育力などを明らかにするとともに、地域と学校の双方向の教育活動を具体化し「地域とともにある学校づくり」を進める。

 地域学校協働活動の推進については、各学園で実態に合わせた地域学校協働本部の設置に取り組み、既存の活動を可視化することで、学校教育を支える活動を具体化するとともに、地域へ周知することにより、新たな活動につなげるなど、「学校を核とした地域づくり」に向け、コミュニティ・スクールの取組と併せて連携と協働を進める。

 学校ICTの活用については、1人1台端末の従来の取組と併せて、授業におけるコミュニケーションを支援することや、持ち帰りによる家庭学習への活用のほか、不登校児童生徒の学習機会の確保や保護者との連携強化に向けた活用を図る。

 学校における働き方改革については「町アクション・プラン」で掲げる時間外在校等時間の目標時間の再認識を促し、校務支援システムの利用や部活動休業日の設定などによって生み出された時間を活用し、児童生徒指導の充実や職能向上を図るとともに、引き続き学校事務補助員を小学校4校、中学校4校に1人ずつ配置する。

 中学校の部活動は、5年度から引き続き、本町の生徒にとって望ましい部活動の在り方や地域移行等について「町部活動地域移行検討委員会」で検討を進める。

 昨年11月に策定した「幕別中学校を活用した義務教育学校の設置に係る方針」に基づき、8年4月の開校に向け、幕別中校舎の増築や改修に係る実施設計に着手する。

 設計に当たっては「義務教育学校開校準備委員会」や幕別小と幕別中の児童生徒の意見を取り入れるなど、より快適で使いやすい環境にすることはもとより、義務教育学校として、児童生徒の交流や教職員の連携が図られる特色ある学校づくりに配慮する。

(市町村 2024-03-22付)

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