幌加内町　６年度教育行政執行方針　幌加内高生を全国募集　部活動地域移行に向け協議

（ 2024-04-23付）

村上教育長

　【旭川発】幌加内町教委の村上雅之教育長は６年度教育行政執行方針において、町立幌加内高校の生徒を全国から募集する考えを示した。札幌市内や旭川市内の中学校訪問や学校見学会も開催し、募集活動の強化に努める。また、同校２年生の見学旅行先を台湾とし、パスポート申請に係る費用の半額を助成する。中学校部活動の地域移行については、各学校と連携を図りながら協議を進める。

　執行方針の主な内容はつぎのとおり。

▼学校教育

　ＩＣＴを基盤とした個別最適な学びと協働的な学びへの効果的な活用がスタートして３年が経過する。現状での課題を整理し、今後のＩＣＴ教育の動向を踏まえた機器更新への対応や効率的な運用体制への見直しなどを検討する。

　中学校の部活動については、２年に文部科学省が示した「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」に基づき、休日の部活動の段階的な地域移行を進めていくこととなる。部によっては、地域に受け皿となる団体がないなど課題も多いことから、学校と十分な連携を図りつつ協議を進める。

　幌加内高校２年生を対象とした見学旅行先について、従来は沖縄県としていたが、６年度から士別地域日台親善協会とのつながりから台湾を見学旅行先とすることで決定した。

　見学旅行の際に必要となる旅券申請に係る経費のうち手数料について、保護者の負担軽減を図るため半額を助成することとした。

　生徒募集については、年々、大変厳しい状況下にある。そこで、全国募集に着手することとし、全国的イベントなどを企画・実施している「地域みらい留学」事業に参画し、生徒確保を図る。

　また、札幌市近郊や旭川市ならびに近隣市町村などを中心に中学校訪問を実施することと併せて、一日体験入学や個別での対応を含めた学校見学会を開催するなど、生徒募集の強化に努める。

　このほか、初めて親元を離れて寮生活を行う生徒が大半であることから、生徒が抱える様々な問題に対応するため、社会福祉の専門家や臨床心理士による心のケアと合わせ、総合的な対策を図っている。

　町教委としても、各関係機関・地域とも連携を図り、小規模校ならではのきめ細かな指導や時代のニーズに合った教育を実践し、グローバル社会に適応できる人間形成の拠点となるべく、教育環境の充実や渓雪寮の環境整備に計画的に取り組んでいく。

▼社会教育

　４月に中央公民館機能を生涯教育活動の拠点である生涯学習センターへ移行した。センターでは魅力ある事業の推進に努めるとともに、町民が自主的に行う文化・芸術活動への支援や各地区公民館を中心とした、そば打ち教室やステンドグラス講座など特色ある活動を支援していく。

　老朽化に伴う「ふれあいホール」の吊物装置改修工事をはじめとした施設整備について計画的に取り組む。

　体育施設については、本年６月に「ほろたちスキー場」の指定管理期間が終了することに伴い、これまでの指定管理者から継続辞退の申し入れがあった。条例の定めによって新たな管理者を公募する。

( 2024-04-23付)