足寄町過小規模校3校 家庭学習ノート 掲示板アプリで共有 意欲向上、学習習慣定着へ(学校 2024-07-18付)
【帯広発】足寄町立大誉地小学校(児玉祥洋校長)、螺湾小学校(竹島浩校長)、芽登小学校(宮﨑哲校長)は、中高学年児童の家庭学習ノートをオンライン掲示板アプリで共有している。過小規模校が連携することで交流規模を広げ、家庭学習習慣の定着につなげる取組。児童たちは1人1台端末を活用して家庭学習の成果を投稿し、他校児童の投稿にコメントを送っている。児童の学習意欲向上とともに、学習内容の共有に係る教員の負担軽減にもつながっている。
大誉地小は、家庭学習週間の設定などによって、学校全体で児童の学習習慣の定着を図っている。5年度まで、家庭学習ノートをコピーした用紙に、児童がコメントを書き込んだ付箋を貼り、校内に掲示。児童間で評価し合い、自らの努力を実感できるよう、学習成果の可視化に努めてきた。
同校児童数は前年度から2桁を割り、本年度5人となった。教員定数に従い、教職員数は管理職や事務職を含めて7人。児童間で家庭学習ノートを共有し、参照し合うためには人数が少なく、教員数の減少に伴って取組の持続可能性が問われていた。
町内小学校4校のうち、大誉地小を含め3校が過小規模校で、児童数は螺湾小が14人、芽登小が29人となっている。大誉地小と螺湾小の教員が学習等に関する課題を話し合う中で、1人1台端末を活用して家庭学習ノートを共有する案が挙がった。5年度当初から2校で試行し、冬ごろから芽登小を含む3校での連携が始まった。
ウェブブラウザで使用できるオンライン掲示板アプリ「Padlet」を活用。限定URLの配布によって共有が可能。投稿した文章や画像に対して、コメントの投稿や返信に加え「いいね」ボタンを押すことができる。
3校は年3回の家庭学習週間の日程を合わせ、中学年以上の児童が自ら家庭学習ノートをアプリに投稿。児童や教員が端末からそれぞれコメントを送っている。
家庭学習の内容は、漢字や計算の練習など共通事項に加え、自由にノートづくりを行えるよう2ページにわたる。中には、日頃の授業から着想を得て、磁石が引き寄せ合う距離を実験した結果をまとめたり、興味・関心に基づいてスリーヒントクイズをつくったりする児童もいた。
児童たちは「“すごいね”“続けたら力になりそう”とコメントがきてうれしかった」「もっと見やすいノートをつくりたい」「(他校児童のノートを見て)自分も頑張ろうと思った」と学習意欲を高めている。「しっかりと理由もつけてコメントしたい」と、相手に気持ちを伝える工夫に目を向ける児童もいる。
大誉地小の教員は「他校と連携することで交流する人数が増え、児童の学習内容や発想の幅が広がっている」と成果を実感。「家庭学習ノートのコピーや校内に掲示する業務がなくなり、他校も含め児童の家庭学習をより細やかに見る時間ができた」と端末活用の利点を語る。
取組のさらなる充実に向けて、教員たちは「家庭学習週間に限らず、月1回程度でも継続的に投稿するよう取組を発展させたい」「児童が自らコメントを見返して、つぎの学習に生かすように声かけしたい」と話している。
また、町内小・中学校では6年度内に学習eポータルが導入される予定。児童生徒の日常的な学びの選択肢が増えるとともに、教員が学習課題やテスト問題等の参考に活用することが期待される。
各校では端末を活用した家庭学習の在り方が検討されている。
(学校 2024-07-18付)
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