大使館に手紙 7ヵ国から返事 世界に目を向ける契機に せたな北檜山中 社会科で(学校 2024-07-23付)
新聞は1人1台端末や紙媒体で作成。中国大使館からはぬいぐるみが届いた
【函館発】せたな町立北檜山中学校(村田真一校長)の2年生が前年度、世界地理の授業の一環で20ヵ国の大使館に手紙を送る活動に取り組み、本年度7ヵ国から返事が返ってきた。学習を通して学びや疑問が深まった国を選び、生徒全員が1人1台端末を活用して作成した新聞も添付。中国大使館からは特命全権大使直筆の手紙とぬいぐるみのプレゼントが贈られた。授業を担当した山本美羽教諭は「国際交流の機会が限られている中で、生徒が世界に目を向けられる契機になれば」と期待する。
授業は5年度の1年生社会科「世界地理」の単元で実施。取組は山本教諭が夏休み中の課題として生徒に1ヵ国の新聞作成を課したことが発端。生徒の想像力を働かせる観点から「実際に旅行に行った」という体裁をルールとし、ICTや紙媒体の使用、記事の分量などは生徒の自由裁量で取り組ませた。
39人の生徒一人ひとりが記事を書いた国の総数は20ヵ国。前年度末には授業を通して印象に残ったことや浮かび上がった疑問点について作成した新聞記事を添え、各国の大使館に手紙で問い合わせる活動に展開した。フランスを対象とした生徒は「モンサンミッシェルの建築技術は当時どのように培われていったのですか」という質問と併せて「フランス料理は色とりどりの食事が魅力的。特に芸術的なマカロンが好きです」との感想をつづった。
ことし5月までに中国、シンガポール、コモロ、フランス、ノルウェー、ツバル、ブラジルの7ヵ国から同校に返事が到着。うち、中国大使館からは呉江浩特命全権大使直筆のサインが入った手紙と、パンダのぬいぐるみ20個が届いた。呉大使の手紙には送った生徒に対する新聞の感想が書かれており「中国の地理と社会、文化に関心を寄せ、すてきに作り上げている。今後も中国に関心を持ち、中日関係の長き歴史と未来をさらに深く理解していただければ」と寄稿。このほか、大使館の関係者による回答の手紙と共に、国の魅力を紹介するパンフレットを同封した国もあった。
同校の校内には学習内容を全校に周知するため、生徒が作成した新聞と返事のあった各国の大使館の手紙を掲示している。山本教諭は「2年生が取り組んだ学習内容を見た1年生も授業を楽しみにしている。国際交流の機会を得ることが難しい中で、生徒が世界に目を向けられる授業につながれば」と話す。
(学校 2024-07-23付)
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