【解説】関係団体 財務省案に声明(解説 2024-11-19付)
全国の校長会、PTA団体、教職員組合など23団体で構成する「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会」は15日、教員の給与制度に関する財務省提案に対する緊急声明を阿部俊子文部科学大臣に提出した。時間外在校等時間の短さのみで給与を引き上げる考えに強い懸念を示し「教師が充実した教育や指導が行えなくなり、わが国の学校教育の崩壊を招くことにつながる」と警鐘を鳴らした。
財務省が11日の財政制度等審議会に示した案は、一定の集中改革期間に業務時間縮減の目標を設定し、達成条件に応じて教職調整額を10%を目指して段階的に引き上げるもの。月20時間を国庫負担の上限として定め、10%に達した時点で残業代を支給する制度への移行を検討する。
声明では学校における徹底した業務削減の必要性に触れつつも、子どもたちが抱える課題が多様化・複雑化する学校現場の状況から「単に時間外在校等時間が短いことをもって給与を引き上げるという仕組みを導入するだけでは、教師が充実した教育や指導が行えなくなり、今まで以上の負担を学校や自治体に負わせる」と指摘。全ての子どもたちの豊かな育ちと学びを保障するためには、業務削減に加えて教職員定数の改善、支援スタッフの充実、教職調整額の大幅な引き上げをはじめとする処遇改善を一体的に進めることが不可欠とし「中教審での議論に鑑み、文科省の7年度予算概算要求の内容の実現を強く求める」と訴えた。
文科省は7年度予算において教職調整額の13%までの引き上げ、学級担任手当や管理職手当の加算・改善、小学校中学年における教科担任制の導入、中学校における生徒指導担当教師の全校配置などを要望しており、引き続き財務省との議論を続けるとしている。
(解説 2024-11-19付)
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