街歩き研究家・和田氏招き 地域の歴史って面白い 札幌山鼻中 道徳講演会
(学校 2024-12-02付)


 札幌市立山鼻中学校(遠山博雅校長)は11月25日、街歩き研究家の和田哲氏による講演会を開いた。全校生徒と保護者や地域住民約270人が参加。路面電車やカシワの木など山鼻地区のシンボルを切り口に、地域の歴史の面白さに触れた。

 同校のCS事業の一環。生徒の道徳講演会と青少年育成推進部の教育講演会を兼ねて実施した。

 北海道科学大学工学部で客員教授を務める和田氏は街歩き研究家として、札幌の歴史を発信する様々なメディアに出演している。

 市電沿線沿いの同校区で育った影響で「電車が好き」という和田氏は「札幌おもしろ歴史さんぽ」と題し、昭和30年代からの市電の変遷やワンマンカーとの色別、札幌から石山通までの道路開発の歴史を紹介した。

 市内の中島公園が万博の博覧会会場になった影響で路面電車が走り始めた際、名古屋鉄道から譲渡を受けたことを説明。市営地下鉄の開業に伴う路線縮小によって、50年後には名古屋鉄道に市電を「恩返し」として譲渡したことなど、札幌市電と名古屋鉄道の深い縁を教え「電車のあるまちは日本でも少なくなった。このようなまちに住んでいるからこそ、電車を利用してほしい」と呼びかけた。

 また、近隣の幌南小学校の校章にあるカシワの葉や柏中学校の由来にちなみ、幌南エリアとカシワの木の関係性に注目。明治14年に明治天皇が山鼻屯田兵の農作業の視察で山鼻小学校を休憩地として訪問した際の出来事として「“窓の外の大きな木が気になる”との天皇の一言から、お声がかりの柏という名前がつき、町のシンボルになってしまった。当時はそれほど天皇の発言に影響力があった」とユニークなエピソードを伝えた。

 このほか、市内に碁盤の目ではない、少し曲がった道がある理由など自身の探究心で見つけた一風変わった歴史を紹介。和田氏は「このまちの人間臭く懐の深い歴史を100年後の人々に伝えたい」と締めくくった。

 生徒会長の木口由唯さん(2年)は「札幌の交通などの歴史をたくさん知ることができた。今と昔の市電の色の差に驚いた。住む地区に予想外の歴史があったことを知り興味深い。生まれ育った歴史を大切にしていきたい」と郷土愛が強まった様子。

 遠山校長は「子どもたちが自分たちの住む地域に愛着を持ち“地域の力になりたい”と思ってもらえれば」と期待を寄せた。

(学校 2024-12-02付)

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