国内単年留学制度の一環で幌加内高 Xやブログで学校PR 元ブロガーの職員が運営(学校 2024-12-02付)
公式Xの投稿が8万いいね超えを記録
【旭川発】幌加内高校(後藤卓校長)では、X(旧ツイッター)と公式ブログを使って学校の魅力発信に取り組んでいる。2年度から始めた取組で、大手ブログサイトで活動していた経験のある同校職員が両アカウントを運営。特色ある教育活動や学校での何げない日常などをブロガーらしいフランクな文章で紹介している。
取組は、高校2年生が1年間だけ全国の地方の高校に留学する国内単年留学制度「旧地域みらい留学365(現高2留学)」の活動の一環として開始。留学先として登録している同校が、留学生向けに幌加内高の魅力をXとブログで発信したことが始まりとなっている。
運営しているコンテンツは、Xのほか、ブログサイトnoteで公開している「幌加内高校」と独自で作成したブログ「幌加内高校セカンドチャンネル」の三つ。
Xは幌加内高について何も知らない人、“幌加内高校セカンドチャンネル”は同校生徒や学校関係者のほか、高2留学制度で同校への留学を検討している生徒、“幌加内高校”は全ての層といったターゲットをそれぞれ設定している。
また、注目されやすい投稿時間や語句、読みやすい文量などブロガー時代に培った知識を生かしながら運用している。
◆Xは砕けた雰囲気 注目を集めるため
Xでの活動はことしで5年目。フォロワーは1万人以上で、平均いいね数も1000近くになるまで成長した。
また、10月4日に投稿した同校生徒が収穫したダイコンをお土産に帰省先へ向かうバスを待つ様子を写したポストが8万いいねを超えるなど、幌加内高公式アカウントがインターネット上で注目を集めている。
Xは「幌加内高校ですが何か?」というアカウント名で活動。自ら問いかけるような名前にした理由について、学校公式だと分かるように“○○高校”だけにすると、数あるアカウントと同じで注目されないことを話した上で「見る人が学校公式かどうかを確かめたくなり、一度はプロフィールや投稿内容を見たくなるような気持ちになるよう、意表を突く名前にした」とねらいを語る。
投稿では、学校・町での何げない日常や特色ある教育活動を紹介。だが“JK”や“飯テロ”などネット発祥のスラングを多用したり、給食を“サラメシ”と表現したりするほか「白鳥白鳥臼鳥白鳥」といった間違い探しを用意するなど砕けた雰囲気にして投稿している。
その理由について「多くの人が“学校や学校の先生は真面目”という先入観を持っている。その先入観を崩す“学校らしからぬギャップ”を見せる投稿をすることで見る人の興味をそそっている」と、注目を集める秘訣を話す。
また「ネガティブに捉えることのできる要素をポジティブに捉える目線を持つことも大事」と強調する。
例として、豪雪地帯として知られる幌加内町の特徴を紹介する時に、ただ大雪の写真を投稿するだけだと“雪が多くて行きたくない”などと思われることを話した上で「雪に覆われた校門の写真と“校門前が夏よりおしゃれになった”などの文章で投稿すれば興味を持つ人が出てくる」と説明する。
今後の展望については「SNSを使って情報発信をしているほかの学校にも、幌加内高の発信の仕方をまねしてもらえれば」と、事例の横展開を期待する。
◆ターゲットを絞り ブログ2種公開中
ブログでの活動もことしで5年目。ブログサイトnoteで公開している「幌加内高校」と独自で作成したブログ「幌加内高校セカンドチャンネル」の二つを用いて、それぞれ設定したターゲットに向けて魅力を発信している。
noteで公開しているブログ「幌加内高校」では、Xと同じく、学校や町での出来事などを砕けた文章で紹介。冬休みに入って生徒が帰省するなどの関係でクリスマスパーティーを前倒しで行ったことや、全校生徒で北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOに野球観戦に行ったことなどを投稿している。
また「農業高校がおすすめする野菜3選」や隣町の和寒町を紹介する記事もアップ。学校公式らしからぬ投稿をすることでXのようにギャップを見せることをねらっているほか、生徒向けに授業では習わない雑学的なことを紹介している。
「幌加内高校セカンドチャンネル」では、学校での授業や行事のほか、同校へ留学に来た生徒の様子を公開。そば打ちやワカサギ釣り授業のほか、留学生が5月の大型連休など休み中に町内外で北海道の歴史を学んだり、自然を満喫したりしている様子などを投稿している。
Xやブログ「幌加内高校」のように砕けた雰囲気とは一転して、簡潔明瞭な文章と多くの写真を使っており、真面目な雰囲気となっている。
その理由は「高2留学で同校への留学を検討している生徒に幌加内高で学ぶイメージを持ってもらったり、本校生徒が授業などに励む様子を保護者らに伝えたりすることが目的だから」と、目的別でコンテンツを使い分けているという。
SNSを始めてから「遠方から来ている生徒の保護者からは、自分の子どもが通っている学校の様子が分かると喜ばれる」とやりがいを実感。町内の人からは「町が明るくなった気がする」「生徒の様子が分かるから良い」など、SNSを始めてから町が変わってきたと好評を博している。「親近感を持ってもらえてうれしい」と手応えを語り、今後もさらなる学校の魅力発信に取り組んでいく。
この記事の他の写真
砕けた雰囲気で学校での出来事を紹介
高2留学で来た生徒の様子を紹介
(学校 2024-12-02付)
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