【解説】自民党特委が緊急決議(解説 2024-12-12付)
自民党の令和の教育人材確保に関する特命委員会は10日、石破茂首相に「教師を取り巻く環境整備のための教育予算に関する緊急決議」を手渡した。教職調整額の引き上げは時間外在校等時間縮減の条件を設けることなく、7年度から確実に実施するよう要請。時間外勤務手当を支給する財務省案に反対の意を示した。
財務省案の要点は①勤務時間縮減目標の達成条件に応じ、複数年をかけて教職調整額を段階的に引き上げ②調整額が10%に達した時点で残業代を支給する制度への移行を検討―の2点。
緊急決議は7項目。勤務時間の縮減を教職調整額引き上げの条件とする場合、本来必要な教育活動が削減されることで学校教育の質の低下が懸念されると指摘。「子どもたちのための教育」とそれを支える教師への視点から、時間外在校等時間の縮減は教職員定数の改善と合わせて実施することが不可欠とし、教職調整額の引き上げに条件を付けず、7年度からの確実な実施を求めた。
残業代支給案に関しては、裁量性を発揮して業務を行う教師の職務の特殊性から管理職と教師の判断に齟齬が生じ、管理コストの増大と現場の混乱を招くとし「実施すべきではない」と反対の意を示した。
このほか、不登校対応や若手教師の育成などを担う新たな職・級の創設、学級担任の特別手当加算や管理職の処遇改善など、中教審特別部会の提言に基づく対策を要請。小学校教科担任制の拡大、全中学校への生徒指導担当教師の配置拡充、支援スタッフの配置充実を求めている。
財務省が提案する教員の処遇改善を巡っては、全国知事会、全国都道府県教育長協議会のほか、全国の校長会、PTA団体、教職員組合など23団体で構成する連絡会などが同様に反対の声を上げている。
(解説 2024-12-12付)
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