【解説】外国人高校生のキャリア支援
(解説 2024-12-20付)

 文部科学省は本年度、日本語指導が必要な高校生の高校等における外国人の生徒のキャリア支援に向けた調査研究に着手することを検討している。キャリア支援やキャリア教育の内容、支援体制を調査して効果的な方策を検討するほか、研究協力校を指定して社会的・経済的自立に向けた事例を創出する。

  高校に在籍する日本語指導が必要な生徒は増加傾向にあり、5年度は約5600人と10年前と比べ約2・3倍に。一方、日本語指導が必要な高校生の中退率は8・5%で日本人を含む全生徒の1・1%、就職者における非正規就職率は38・6%と全生徒の3・1%を大きく上回る。中学生の進学率は90・3%、高校生の進学率は46・6%でいずれも全生徒より低い状況となっている。

 このため文科省は、高校等における外国人生徒に対するキャリア教育・キャリア支援の実態を調査し、支援方策の具体的な検討につなげる。

 事業内容は①実態調査②支援方策の検討③研究協力校における実践―。実態調査では外国人生徒へのキャリア教育、教育委員会による進路ガイダンス、ロールモデルの提示などの取組を把握し、キャリア支援やキャリア教育に関する効果的な方策を検討する。

 研究協力校では、大学・国際交流協会、地域の企業と連携し、外国人生徒等の社会的・経済的自立のための教育を実施。早期の進路ガイダンスやロールモデルの提示、生活相談・進路相談等支援の事例を創出する。

 全国の事例をみると、独自の多言語進路説明会や外国籍の保護者に対する就学説明会を開催するなどキャリア支援に向けて取り組む市町村も現れている。また、就学ガイドブックの作成や保護者が勤務する企業との情報交換会などに取り組む団体・企業もある。

(解説 2024-12-20付)

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