【解説】わいせつ行為 処分歴確認を(解説 2025-07-10付)
雇用教職員のわいせつ行為に関する処分歴を確認する国のデータベースについて、約75%の学校法人が活用していなかったことが、文部科学省の調査で分かった。阿部俊子文科大臣は8日の記者会見で「引き続き文書による周知に加え、様々な会議等でデータベースの確実な情報の登録と適切な活用について周知する」と述べた。
特定免許状失効者管理システムによるデータベースは、児童生徒性暴力等を行った者が再び教壇に立つことを防ぐために5年度から稼働。教職員を雇用する際、児童生徒に性暴力を行ったことが原因で教員免許状を失効または取り上げになったことがないかどうかを確認することが義務付けられている。
子どもと関わる全ての事業者を対象に8年12月25日から施行する「日本版DBS」と異なり、対象は教員免許失効者に限られる。
文科省の6年度私立高校等実態調査によると、47都道府県における7258の学校法人のうちシステムを活用している割合は25%にとどまり「ユーザー登録しているが活用できていない」が33%、「ユーザー登録していない」が42%だった。
活用できていない理由は「ID・パスワード等が不明でログインできない」「活用義務が課せられていることを知らなかった」が約半数を占めた。
「採用候補者が全て女性または新卒のため、活用は不要と考えた」「教員免許状の有効性を確認するシステムだと思った」とシステムの活用義務を誤解しているケースもあった。
文科省は、性別、前職の有無、常勤・非常勤などの任用形態にかかわらず教職員を雇用する時に活用する義務があること、活用していない場合は法律違反に該当することから、関係者に注意を呼びかけている。
(解説 2025-07-10付)
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