旭川市朝日小で提案授業実施 振り子作成、協力し工夫重ねる アクティブ・ラーニング調査研究(道・道教委 2015-07-27付)
グループで実験など行った
【旭川発】道教委の「課題解決型授業(アクティブ・ラーニング)に関する調査研究プロジェクト」実践推進校の旭川市立朝日小学校(中山雅文校長)は八日、同校で第一回の提案授業を実施した。櫻井啓子教諭が五年二組理科「ふりこ」を指導。児童はグループで工夫を重ねながら、「一秒ふりこ」を作成する実験を重ね、振り子運動の規則性について考察していた=写真=。
同プロジェクトは、アクティブ・ラーニングによる効果的な学習形態の工夫、指導内容・指導方法の改善等について調査研究する事業。旭川市を推進地域とし、同校を実践推進校、連携協力校として、大有小学校、青雲小学校、永山西小学校、近文小学校、新町小学校の五校を指定している。
研究の推進に当たり、実践推進校と連携協力校による研究チーム「ALPS」を組織。また、六校に加え、外部有識者や関係機関等による連携協議会を立ち上げ、推進地域として一体的に取り組んできた。
本単元の五年理科「ふりこ」では、子どもが習得した知識や技能を基盤とした活用学習として「一秒ふりこをつくろう」を設定した。身の周りの事象と振り子の運動の規則性を関連付けながら、問題意識を醸成。加えて、単元の学習のゴールを明らかにするとともに、児童が仮説を立てることで、単元を通した主体的な問題解決を図った。
また、グループで協力しながら実験データを収集・整理し、考察する場を設け、言語活動の充実に努めた。
本時では、これまで学習したことをもとに、振り子の振れる時間を変えて「一秒ふりこ」に近づけようとする活動を通して、振り子運動の規則性についての見方や考え方を深めることを目標とした。
その上で、児童が納得いくまで学習できるよう、導入やまとめの場面をコンパクト化し、試行錯誤する時間を確保した。
授業において、櫻井教諭は前時までの学習を確認したあと、課題「学んだことを生かして、どのようにすると“一秒ふりこ”がつくれるだろうか」と提起。児童は六グループに分かれて、工夫を重ねながら実験に取り組んだ。
このあと、まとめとして、各グループが実験の過程を説明しながら結果を発表。振り子の長さを調整すると、一秒ふりこをつくれるかもしれないとの結論に至った。櫻井教諭は、次回の授業で振り子の重さが、振り子の振れる時間に与える影響について確認することを伝えた。
提案授業について、櫻井教諭は子どもの様子を見取る手立ての工夫を今後の課題に挙げ、「単元を貫いた問題解決として、一秒ふりこの作成を取り入れたが、単元の授業構成の在り方が有効だった」と評価。「より改善するには、ipadで実験データを処理し、各グループで共有できたらより良い授業になると思う」と述べていた。
(道・道教委 2015-07-27付)
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