道研が特別活動研修講座開催 子どもの自主性不可欠 國學院大・杉田教授が基調講義(道・道教委 2015-09-09付)
道研が特別活動研修講座
道立教育研究所は八月中旬の三日間、同所で特別活動研修講座を開催した。道内各地から小・中・高校の教諭十八人が参加。講座の二日目、國學院大學人間開発学部教授の杉田洋氏(前文部科学省初等中等教育局視学官)が「今、求められる特別活動の在り方とその指導~集団の教育力の再構築と活用」をテーマに基調講義=写真=。アクティブ・ラーニングにするためには、学級の風土・空気(人間関係)、教師の適切な指導力とともに、「子どもたちの自主的で、自治的な活動が欠かせない」と強調した。
自主的、実践的な態度を育て望ましい人間関係を築く活動を推進するため、適切な指導計画を作成し、各学校や地域の特色を生かし、特別活動を工夫改善する指導力の向上を図ることが目的。小・中・高校の教諭十八人が参加した。
初日は、同所研究研修主事らが講師となり、「特別活動の現状と課題」「儀式的行事における国歌の指導方法」「望ましい人間関係や集団形成」などをテーマに講義、演習を行った。
二日目は、國學院大の杉田教授が「今、求められる特別活動の在り方とその指導~集団の教育力の再構築と活用」をテーマに基調講義。中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会の審議などにふれながら、①思考力を中核とし、それを支える②基礎力と、使い方を方向づける③実践力の三層構造からなる「二十一世紀型能力」のイメージと特別活動の役割―について解説。
「よりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養う」ことを目的とする特別活動は、二十一世紀型能力に直結すると説いた。
子どもたちが、課題の発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習、いわゆるアクティブ・ラーニングにするためには、「学習の中心に自由闊達に意見交流ができるような言語活動を据えなければならない」とした。さらに、その実現に向けて、学級の風土・空気(人間関係)、教師の適切な指導力とともに、「子どもたちの自主的で、自治的な活動が欠かせない」と指摘した。
また、「見通し」と「振り返り」の構図の中で、子どもたちが、「何を学ぶのか(何のための活動か)」を意識し、「何を学んだのか(どんな力がついたのか)」を自覚することを、「自らできるようにする」ことを求めた。
「話し合いの十ヵ条」として、「友だちの話は最後までしっかりと聞く」「みんなに聞こえる声で分かるように伝える」「間違っているかなと思っても、そのまま伝える」「分からない友だちには、自分の分かり方を話す」「分かるまで何度も聞く」「人を馬鹿にしたり、笑ったり、ひやかしたり、無視したりすることはやめる」「友だちの話を受け止めてから話す」「話の中身をよく聞いて、考え、判断する」「自分の考えを無理矢理通さない」「違う考え、異なる意見を大切にする―ことを示し、教師の指導のもと、日々の授業において徹底するよう呼びかけた。
三日目は、「改善した指導計画を踏まえた授業づくり」ついて演習を行ったほか、稚内市立稚内南小学校の国分大亮教諭が実践発表。最後に、研修成果を活用・普及するため、三日間の研修を振り返り、交流した。
(道・道教委 2015-09-09付)
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