【解説】運営費交付金拡充を―国立大学協会(解説 2015-11-10付)
国立大学協会は二日に開催した通常総会で、「地域と国の発展を支え、世界をリードする国立大学!!」を決議した。二十八年度の予算編成・税制改革に向けて、「運営費交付金の拡充」や「所得控除・税額控除の選択制の導入」を要請していくことを申し合わせた。
同協会はことし九月、次代を担うたくましい人材の育成、地域の多様性と活力の発揮、未来を拓くイノベーション創出への貢献などをけん引していくための主体的な取組の方向性と具体的な工程を明らかにした「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン」を公表し、プランに基づき自律的かつ着実にさらなる改革を推進している。
こうした中、財務省は、十月二十六日に開いた財政制度等審議会財政制度分科会に、国立大学法人運営交付金を今後十五年間、毎年一%削減する案を提示。
これを受けて、同協会は翌二十七日、「国立大学の役割を十分に果たすことができなくなることを危惧する」と反論する会長声明を発表。「国立大学が全力で取り組む改革の実現を危うくし、経済格差による教育格差の拡大につながる」との懸念を示した。
今回の決議で同協会は、改革実行のための取組と決意についてあらためて理解を求めた上で、二十八年度予算において、「基盤的経費である運営交付金の拡充をはじめ、概算要求の諸事項について十分な予算措置を行う」こと。また、税制改正では、国立大学の寄附金確保の取組を促進するため、「所得控除・税額控除の選択制度を導入する」ことを要請した。
運営交付金の削減については、中央教育審議会が十月二十八日の総会で、緊急提言を発表。過去十二年間で約一二%(一千四百七十億円)削減していると指摘し、財務省案を「将来に禍根を残す」と反論した。
(解説 2015-11-10付)
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