【解説】バイトで学生の６割がトラブル

（解説 2015-11-12付）

　アルバイト経験のある大学生らの六割が、「合意した以外の仕事をさせられた」といったトラブルを経験したことがあることが九日、厚生労働省の調査で分かった。中には、「賃金の不払い」や「労働時間が六時間を超えても休憩時間がなかった」などといった法律違反のおそれがあるケースもあった。

　労働条件が過酷な「ブラックバイト」の社会問題化を受け、ことし八～九月、全国の十八～二十五歳の大学生や専門学校生らにインターネットを通じて実施。週一回以上、三ヵ月以上のアルバイト経験がある一千人からの回答をまとめた。経験したアルバイトの延べ件数は一千九百六十一件。

アルバイトの業種（三つまで回答）は、コンビニ一五・五％、個別指導の学習塾一四・五％、スーパーマーケット一一・四％、居酒屋一一・三％の順。全体の六〇・五％、延べ件数ベースで四八・二％が何らかのトラブルがあったと回答。

　トラブルの種類（複数回答）はシフトに関するものが多く、最多は「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」の一四・八％。次いで、「一方的に急なシフト変更を命じられた」が一四・六％。「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」が一三・六％、「一日に労働時間が六時間を超えても休憩時間がなかった」が八・八％など、労働基準関係法令違反のおそれがある回答も目立った。

　労基法で、賃金などの労働条件を書面で示して交付するよう使用者に義務付けているが、書面を受け取っていない例が五八・七％にのぼり、口頭ですら具体的な説明がなかったケースも一九・一％あった。

　厚労省では、事業主団体や業界団体に無理な人員配置は控えることなどを、近く文書で要請。高校生アルバイトについての調査も行う方針。

(解説 2015-11-12付)