資質・専門性向上へ研鑚　北私幼・札私幼が研究大会開催

（関係団体 2015-11-12付）

北私幼・札私幼が研究大会

　第五十八回道私立幼稚園研究大会札幌ブロック大会・第四十七回札幌市私立幼稚園教育研究大会が六日から二日間、札幌市内幼稚園十八園と札幌市民ホールで開かれた。大会テーマは「子どもの“今”に寄り添い、子どもと“未来”をきずく」。公開保育や講演などを通して、幼稚園教員としての資質・専門性の向上を図った。

１５００人余りが参加

教育研究大会は、公益社団法人道私立幼稚園協会（北私幼）、一般社団法人札幌市私立幼稚園連合会（札私幼）主催。全体会のほかに、全道を五つのブロックに区分し、各ブロック別に開催することとして、ことしで九回目となる。

幼児教育の果たす役割がますます重要になってきていることを受け、二十六・二十七年度の教育研究主題は、「子どもの“今”に寄り添い、子どもと“未来”をきずく～保育臨床の視点を大切に、保育の質を高めよう」と設定。「保育臨床」という言葉に込められた子どもの“今”“ここ”の思いに寄り添い、子どもの今を大切にすることこそが一人ひとりの子どもが自分らしさを生かして生きる輝かしい未来を築くことにつながることを基本姿勢に据えた。

　初日は、札幌市内の幼稚園十八園（私立十七園・市立一園）で公開保育研究と分科会を行い、各園の実践を交流した。また、ＴＫＰガーデンシティ札幌駅前で行われた設置者・園長研修会では、文部科学省初等中等教育局幼児教育課の林俊宏企画官が「これからの私立幼稚園の展望」を演題に講演した。

二日目は、札幌市民ホールを会場に、私立幼稚園教員など関係者一千五百人余りが参加し、全体会を開催＝写真＝。開会式であいさつした大会長で札私幼の前田元照会長は「本年度は、札私幼が発足して六十年という記念すべき年である」と述べ、札私幼の歴史を振り返りながら、先達の労苦に感謝を示し、「学びをしっかりと深め、今後の取組につなげていただきたい」と呼びかけた。

　続いて、北私幼の澤田豊会長があいさつ。「教員免許状更新講習を受けた先生方を含め、きょうまでに五千人を超える教職員に研修に参加いただいた」と報告した上で、「本大会を意義あるものとし、その成果を子どもたちのために役立てていただきたい」と述べた。

　次いで、来賓各氏があいさつ。札幌市の板垣昭彦副市長は「研究内容の充実・向上が、子どもたちのより望ましい成長に寄与することに期待している。今後も、私立幼稚園の皆さんと連携を図りながら、札幌市の幼児教育水準の一層の向上を図っていきたい」との考えを示した。また、札幌市私立幼稚園ＰＴＡ連合会の白井晴彦会長は「実り多い研究大会、充実した一日となるよう祈念する」などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。

　開会行事に続いて、東京大学大学院教育学研究科の秋田喜代美教授が「保育の質を高めるために」をテーマに基調講演を行った。遊びの質に焦点を当て話を展開。「遊び込むときに子どもは伸び育つ」と強調し、「このことを社会の多くの人と共有することが大事な時期に来ているのでは」と呼びかけた。

(関係団体 2015-11-12付)