道中対策部27年度生徒指導に関する調査報告書 不登校は微増の3478人 「いじめ被害」14.2%減少(関係団体 2015-12-15付)
道中学校長会(小西俊之会長)対策部は、『二十七年度生徒指導に関する調査報告書』をまとめた。二十六年度の不登校生徒の総数は三千四百七十八人と、前年度から微増。うち、「本人にかかわる問題」を起因とするものが二千七百七十二人と、全体の七九・七%を占めた。いじめによる被害生徒の総数は一千百十人で、二十五年度より一四・二%減少。生徒間暴力や対教師暴力、器物破損、家出、万引き、校内での喫煙も二十六年度は減少した。
質問紙による悉皆調査で実施。二十六年度を調査対象期間とし、①校内生活②不登校③いじめ④触法・ぐ犯⑤不審者・変質者からの被害⑥携帯電話やインターネットによる被害状況と問題を防ぐためのこれまでの取組―について、全道の公立中学校六百七校を対象にことし七~八月に調査し、六百二校から回答を得た。
校内生活における問題行動の総数は、二十四年度が一千二十五人、二十五年度が一千八十三人だったが、二十六年度は八百人と前年度より二六・一%減少した。
内訳は、「生徒間暴力」が四百四十八件と前年度より一九・一%減り、「対教師暴力」は百十四件と一七・四%の減。「器物破損」は二百三十八件と三九・一%減った。
「不登校」と判断された生徒の総数は、二十四年度が三千二人、二十五年度が三千四百八人、二十六年度が三千四百七十八人と増加傾向にある。二十六年度の内訳は、「本人にかかわる問題」が二千七百七十二人と全体の七九・七%を占め、前年度より百二十六人の増加。「学校生活での影響」は三百二十七人、「家庭生活での影響」は三百七十九人で、減少傾向となった。
また、「全く登校できない」生徒は、八百九十一人と前年度より二百三十三人減り、登校しても保健室やスクールカウンセラーなどから支援されて学校生活を送っている生徒は六百七十九人で百四十六人増、適応指導学級やフリースクールなど学校外の機関や施設に通っている生徒は三百九十九人で五十三人減った。
いじめによる被害生徒の総数は一千百十人で、二十五年度の一千二百九十三人と比べ、率にして一四・二%減少。学年別・男女別にみると、一年生男子が三百二十一人、一年生女子が二百二十三人、二年生男子が百九十一人の順で多い。
「触法・ぐ犯」では、万引きが二十五年度より百五十五人減の二百七十三人、家出が六十四人減の二百十二人、校内での喫煙が四十一人減の七十五人と、全項目で減少した。
「不審者・変質者」からの被害状況をみると、被害を受けたのは女子が九一・七%を占めており、発生率(生徒数と被害件数との割合)では、札幌市地区(〇・九九)、旭川市地区(〇・六五)、宗谷地区(〇・五七)が高かった。
被害の内容は、声かけが最も多く、次いで、露出やつきまといの順となっており、スマートフォンによる写真や動画撮影、身体への接触、車内への引き込み、その際、暴力的な行為もあった。
「携帯電話やインターネット」による被害状況では、二十六年度の発生件数の総数は男子が二百五十八件(前年度二百九十四件)、女子は三百九十五件(同五百七件)と、いずれも減少した。発生率は男子が、宗谷地区(一・三〇)、後志地区(〇・五八)、帯広市地区(〇・五三)、胆振地区(〇・五三)、札幌市地区(〇・四九)の順で多く、女子が、宗谷地区(一・四九)、帯広市地区(一・三二)、胆振地区(一・一四)、旭川市地区(〇・八)、上川地区(〇・七四)の順となった。
「携帯電話・インターネット」による問題を防ぐための取組について、二十六年度は生徒への情報モラル教育の推進(五百三十一校)、携帯電話の学校持ち込みの禁止(五百二十九校)、保護者に対する有害情報に関する啓発活動(四百八十校)、生徒へのリーフレット等教材を使った指導(三百六十三校)の順で多い。今後の取組では、「教職員に対する有害情報に関する校内研修」を挙げる学校が増えた。
道中対策部では、不審者・変質者からの被害状況について、市や町村にかかわらず、全道的に発生していると分析。「発生率でみると、都市型事案とは言えない状況が続いている」とみている。
また、小学校段階における携帯電話やスマートフォンの所持率が上がっていることから、「新入生や保護者対象の入学者説明会の段階での啓発活動を行う学校が増えてきている」と報告している。
(関係団体 2015-12-15付)
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