子のネット利用指導技術養成セミナー 安全安心な取扱い伝えて 道環境生活部が初開催
(道・道教委 2015-12-28付)

ネット利用指導セミナー
子どもの安全ネット利用指導技術養成セミナー

 道環境生活部は二十二日、道庁赤れんが庁舎で「子どもの安全ネット利用指導技術養成セミナー」を初開催した=写真=。赤レンガ・チャレンジ事業、道民カレッジ連携事業として行い、教職員やPTA関係者など約四十人が参加。インターネット問題に関する講演やワークショップを通して、子どもたちがインターネットを安全安心に利用する方策について考えた。

 道環境生活部では、スマートフォンなど情報端末機器が青少年の間で広く普及する中、コミュニティサイト等を介した犯罪被害やいじめ、SNSでの不適切な投稿、過度の利用による基本的生活習慣の乱れ、個人情報の流出、有害情報の閲覧など、様々なトラブルが発生し、大きな社会問題となっていることを憂慮。このような問題に対応するため、インターネットの安全安心な利用方法について、青少年に適切に指導できる技術の普及を行い、もって青少年が安全安心かつ前向きにインターネットを利用できる環境を整えることとした。

 開会に当たり、道環境生活部くらし安全局道民生活課青少年担当課の宮岡孝博課長があいさつ。札幌市内の高校生がSNSへ不適切な投稿を行い問題になった事案などについてふれ、「知識や経験が不足し、精神的に未成熟な青少年が高機能な通信端末を利用することは、犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性が高く、周囲の大人がしっかりとサポートすることが重要」と強調。セミナーを通じて青少年のインターネット問題について理解を深め、それぞれの立場で取組を進めるよう呼びかけた。

 このあと、フィルタリング開発などを行っているアルプスシステムインテグレーション㈱ビジネス推進部副部長兼渉外グループマネージャーの長谷部一泰氏が「子どもたちのインターネット問題を正しく知ろう」と題して講演を行った。

 長谷部氏は、インターネットへ接続可能な機器として、携帯型ゲーム機、音楽プレーヤー、電子書籍リーダーなどを挙げ、無料でインターネットにつながる場が広がり、利用者の低年齢化が進んでいることを指摘した。

 コミュニティサイトに起因する性犯罪被害者数が増えている警視庁のデータを示し、「子どもたちはインターネットを利用して、自身の日常や写真、動画を発信し、友達と共有している。受信閲覧利用に偏りがちな大人とのギャップは大きい」と説明した。

 特に、子どもたちが誤解していることとして、インターネットは公開されていること、匿名性はないこと、書き込みは取り消せないこと、自分の将来が台無しになりかねないことを提示。不適切な発信からプライバシー情報が拡散した事案を紹介した。

 「理想のインターネットデビューは段階的に経験を積むこと」とし、①サイト閲覧②メール利用③自分で管理するページでの発信④不特定多数の場での意見交換―などにおける留意点をアドバイス。保護者には「詰問や説教、取り上げ、のぞき見はしてはいけない。指導せずに聞き上手になることで、子どもが困ったときの最初の相談相手になってほしい」と求め、大人自身が変わる大切さについてもふれた。

 講演後のワークショップでは、五グループに分かれ、スマートフォンの長時間利用による日常生活への影響、ワンクリック詐欺などの事例をもとに予防方法などを話し合った。

(道・道教委 2015-12-28付)

その他の記事( 道・道教委)

【28年新年号】学力の向上へ日常的に授業改善―道教委 授業のヒントがここに チャレンジテスト活用を

 本年度全国学力・学習状況調査の結果、道内小・中学校の授業について、冒頭の目標提示や最後の振り返り活動に課題があることなどが明らかとなった。道教委は、授業改善に当たり、「先生方には、まず、調...

(2016-01-01)  全て読む

【28年新年号社説】地域全体で学びの場を醸成

 本年度策定された「北海道総合教育大綱」では、基本的な考え方の中に、「地域全体で子どもたちの学びを支援する取組を推進する」ことが盛り込まれた。  具体的には、「すべての子どもたちに、社会で...

(2016-01-01)  全て読む

【28年新春インタビュー】道教委・柴田達夫教育長に聞く 学力・体力向上へ取組一層 「本道の子は、地域全体で育む」

柴田教育長インタビュー ◆学力 全教科で全国平均以上に  ―二十七年度全国学力・学習状況調査の分析結果からみえてきた課題と、今後の取組の方向性についてお聞かせ下さい。  二十七年度全国学力・学習状況調査は、毎年...

(2016-01-01)  全て読む

特別支援文教施策要望への道教委回答

 道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(日向正明会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)の『二十八年度道文教施策に関する要望書』に対する道教育委員会の回答はつぎ...

(2015-12-28)  全て読む

道教委進学セミナー特別企画 発話障壁を取り除いて 安河内氏が札幌東高で授業等

セミナー特別企画  道教委は二十一日、札幌東高校で「道高校学力向上推進事業」二十七年度進学指導セミナー(英語)特別企画を実施した。安河内哲也氏(一般財団法人実用英語推進機構代表理事、文部科学省英語教育の在り方...

(2015-12-28)  全て読む

“ねこ”がいっぱい! 160点展示―道立文学館 1月17日まで

道立文学館特別展示  道立文学館は、文学作品や絵本などに登場する猫にスポット当てたファミリー文学館「ネコ!ねこ!猫!!」を同館特別展示室で開催=写真=。文学作品や絵本、童話などに描かれている“猫”を、同館所蔵資...

(2015-12-28)  全て読む

道教委と道特長会等が文教懇 計画的育成に向け具体策 ミドルリーダーや管理職候補

特別支援文教懇会  道教委と道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(日向正明会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)との文教施策懇談会が二十二日、道庁別館で開かれた=写真=。三団体...

(2015-12-25)  全て読む

道立近代美術館「冬のワンダー☆ミュージアム2016」 北海道の魅力を発見! 約80点展示、親子で楽しんで

近代美術館特別展  道立近代美術館は、特別展「冬のワンダー☆ミュージアム2016 アートで発見HOKKAIDO」を開催している=写真=。子どもから大人まで北海道の魅力を発見しながら、アートを鑑賞できる展覧会。...

(2015-12-25)  全て読む

政治的教養の文科省等副教材 高校3年間見通し活用を 道教委が資料作成し呼びかけ

道教委選挙権資料  道教委は、高校生向け副教材『私たちが拓く日本の未来』などの活用に向けた資料=写真=を作成した。高校三年間を見通した活用計画を立て、公民科授業や総合的な学習の時間、ホームルーム活動などで副教...

(2015-12-24)  全て読む

道立学校事務長等の再任用で道教委 役付職員としても可能に 都市部以外への配置も検討

 道教委は来年度から、道立学校事務長および事務主任を、役付職員として再任用する方針を固めた。これまで、役付職員は主任主事として再任用してきたが、高齢期職員の知識・経験等の活用を図るため、フル...

(2015-12-24)  全て読む