道教委進学セミナー特別企画 発話障壁を取り除いて 安河内氏が札幌東高で授業等
(道・道教委 2015-12-28付)

セミナー特別企画
進学指導セミナー特別企画

 道教委は二十一日、札幌東高校で「道高校学力向上推進事業」二十七年度進学指導セミナー(英語)特別企画を実施した。安河内哲也氏(一般財団法人実用英語推進機構代表理事、文部科学省英語教育の在り方に関する有識者会議委員、東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師)が公開授業を行った=写真=。続く講演で、安河内氏は「スピーキングの授業で大切なのは、発話障壁を取り除くこと」などとアドバイスした。

 赤間幸人高校教育課長の開会あいさつ。「学習指導要領に沿って、授業を英語で行うことを基本とする、いわゆる〝オール・イングリッシュ〟で行うことを中心としながら、大学進学にも生きる力を身に付けていく実践を紹介していただく。学校で積極的に授業改善に役立てていただきたい」と参加者に呼びかけた。そのあと、安河内氏の指導で、同校二年八組(生徒数四四人)の英語授業を公開した。

 授業は、簡単なクイズのあと、リスニングを行ったり、写真を見て気づいたことを答えたりしたほか、「すべての生徒は、一ヵ月間の海外留学をしなければ卒業できない。賛成か、反対か」とテーマを示し、二人一組でディベートを行った。

 安河内氏は生徒たちに、「間違いを楽しもう」「自信をもとう」「大きな声で話そう」と〝三つのルール〟を提示。「話せなくても心配ない。楽しめばいい」などと声をかけながら授業を進めた。

 最後に、「なぜ英語を勉強するのか」と問いかけ、英語を使って人生を素晴らしいものにするよう呼びかけた。

 続く講演で、安河内氏は「スピーキングの授業で大切なのは、生徒の発話障壁を取り除くこと」とポイントを挙げ、そのために〝三つのルール〟を示したと説明。「生徒が話す英語を絶対に訂正しない。リピートするときに、正しい英語を話し、自ら気づかせる。間違うことを許容することが大切」「ジャパニーズ・イングリッシュでOK。教師が上手に話すと、生徒は自信を失うので、あえて下手な英語を話している。発音がうまいか下手かは問題ない。大切なのは話す内容」などと自らの授業法を披露した。

 また、「教科書は簡単なものを使い、その分、生徒に音声活動をさせる」「英語に慣れていない人にディベートさせると幼稚園レベルになる。まず、日本語で考えさせる」などとアドバイス。

 さらに、「大事なのは、“なぜ英語を勉強するのか”ということ。コミュニケーション型授業にすることで、授業が楽しくなり、英語がうまくなる。教師自身にとって楽しい授業にすることが大事」と訴えた。

(道・道教委 2015-12-28付)

その他の記事( 道・道教委)

学力向上の機運高めよう 子の学力考える会シンポジウム開催―日高教育局

学力向上フォーラム北村局長  【浦河発】「地方創生における教育の役割とは何か」をテーマに日高教育局は二十七年十二月一日、日高合同庁舎で第二回管内学力向上フォーラム「北海道の子どもたちの学力について考える会」シンポジウム...

(2016-01-04)  全て読む

【28年新年号】学力の向上へ日常的に授業改善―道教委 授業のヒントがここに チャレンジテスト活用を

 本年度全国学力・学習状況調査の結果、道内小・中学校の授業について、冒頭の目標提示や最後の振り返り活動に課題があることなどが明らかとなった。道教委は、授業改善に当たり、「先生方には、まず、調...

(2016-01-01)  全て読む

【28年新年号社説】地域全体で学びの場を醸成

 本年度策定された「北海道総合教育大綱」では、基本的な考え方の中に、「地域全体で子どもたちの学びを支援する取組を推進する」ことが盛り込まれた。  具体的には、「すべての子どもたちに、社会で...

(2016-01-01)  全て読む

【28年新春インタビュー】道教委・柴田達夫教育長に聞く 学力・体力向上へ取組一層 「本道の子は、地域全体で育む」

柴田教育長インタビュー ◆学力 全教科で全国平均以上に  ―二十七年度全国学力・学習状況調査の分析結果からみえてきた課題と、今後の取組の方向性についてお聞かせ下さい。  二十七年度全国学力・学習状況調査は、毎年...

(2016-01-01)  全て読む

特別支援文教施策要望への道教委回答

 道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(日向正明会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)の『二十八年度道文教施策に関する要望書』に対する道教育委員会の回答はつぎ...

(2015-12-28)  全て読む

子のネット利用指導技術養成セミナー 安全安心な取扱い伝えて 道環境生活部が初開催

ネット利用指導セミナー  道環境生活部は二十二日、道庁赤れんが庁舎で「子どもの安全ネット利用指導技術養成セミナー」を初開催した=写真=。赤レンガ・チャレンジ事業、道民カレッジ連携事業として行い、教職員やPTA関係者...

(2015-12-28)  全て読む

“ねこ”がいっぱい! 160点展示―道立文学館 1月17日まで

道立文学館特別展示  道立文学館は、文学作品や絵本などに登場する猫にスポット当てたファミリー文学館「ネコ!ねこ!猫!!」を同館特別展示室で開催=写真=。文学作品や絵本、童話などに描かれている“猫”を、同館所蔵資...

(2015-12-28)  全て読む

道教委と道特長会等が文教懇 計画的育成に向け具体策 ミドルリーダーや管理職候補

特別支援文教懇会  道教委と道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(日向正明会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)との文教施策懇談会が二十二日、道庁別館で開かれた=写真=。三団体...

(2015-12-25)  全て読む

道立近代美術館「冬のワンダー☆ミュージアム2016」 北海道の魅力を発見! 約80点展示、親子で楽しんで

近代美術館特別展  道立近代美術館は、特別展「冬のワンダー☆ミュージアム2016 アートで発見HOKKAIDO」を開催している=写真=。子どもから大人まで北海道の魅力を発見しながら、アートを鑑賞できる展覧会。...

(2015-12-25)  全て読む

政治的教養の文科省等副教材 高校3年間見通し活用を 道教委が資料作成し呼びかけ

道教委選挙権資料  道教委は、高校生向け副教材『私たちが拓く日本の未来』などの活用に向けた資料=写真=を作成した。高校三年間を見通した活用計画を立て、公民科授業や総合的な学習の時間、ホームルーム活動などで副教...

(2015-12-24)  全て読む