【解説】障害者虐待で2703人被害(解説 2016-01-14付)
二十六年度に家族や福祉施設の職員などから虐待を受けた障害者が前年度に比べ四十四人多い二千七百三人にのぼることが、厚生労働省の調査で分かった。このうち、養護者の虐待などによって三人が死亡した。
二十四年十月に施行された障害者虐待防止法を受けた調査で、今回が三回目。障害者虐待への対応状況などを把握することによって、より効果的な施策の検討を行うための基礎資料を得ることを目的に実施している。
全国の一千七百四十一市区町村と四十七都道府県に寄せられた障害者への虐待の通報件数は六千八百六十八件。このうち、二千二百七十六件で虐待が認められ、被害者は二千七百三人にのぼった。
親や兄弟、姉妹などによる家庭での虐待は、前年度より九十八件少ない一千六百六十六件と、七三・二%を占めた。道内は四件減の六十九件。被害者は一千六百九十五人で、うち、三人が死亡した。内訳(複数回答)は、身体的虐待が六四・九%を占める一千百十六件で最多、心理的虐待が五百四十九件、経済的虐待が三百七十五件と続いた。
一方、福祉施設や自宅での生活支援サービスの職員などによる虐待は、四十八件増の三百十一件(道内は二件増の九件)、被害者は七十人増の五百二十五人で、知的障害が七五・六%を占めた。家庭での虐待同様、身体的虐待が五七・九%を占める百八十件で最も多く、以下、心理的虐待が百三十二件、性的虐待が四十二件など。
加害者は、直接介護に当たる生活支援員が最も多く四五・八%を占めた。障害者虐待防止法では、虐待が発生している施設の職員などに対し、発見次第通報することを義務付けているが、該当施設の職員からの通報は五・三ポイント増えて二二・二%にのぼった。
(解説 2016-01-14付)
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