体力向上パートナーシップ形成事業 自校の取組充実・改善へ 「プログラム研修」道央で初開催―道教委
(道・道教委 2016-02-10付)

体力向上プログラム研修
独自の運動プログラムを研修

 道教委は八日、二十七年度体力向上パートナーシップ形成事業「体力向上プログラム研修」道央会場を開催した。大学やスポーツ関係団体などと作成した運動プログラムの普及啓発によって、教諭の指導力や学校全体の体力向上を目指す本年度新規事業。初開催となった道央会場には、約六十人が参加した。大学や体育専科教員による独自の運動プログラムの実技などを通して、体力向上の取組の改善・充実について学んだ=写真=。研修は今後、道内三会場で開催する予定。

 道教委では本年度から、道内の大学やスポーツ関係団体などと連携し、それぞれの専門性を生かした児童生徒向けの運動プログラムを作成。研究指定校において、体育授業の改善や運動機会の充実に取り組んでいる。

 今回、初めて運動プログラムにかかる研修を実施することで、体育授業における教員の指導力向上や学校全体の体力向上の取組の充実を図るとともに、参加者の域内の学校へ環流することで、普及啓発を図ることを目指した。

 この日の冒頭、堀本厚健康・体育課長があいさつ。本年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に言及し、「本道では、各種目の体力合計点が小・中学校、男女とも全国平均を下回っているが、前年度と比較して体力合計点が小・中学校男女とも上昇し、多くの種目で全国との差が縮まっており、各校の取組が着実に成果となって表れてきている」と評価した。

 一方で、質問紙調査の結果から、「子どもたちの運動習慣の定着などの点で依然として課題がある」とし、学校・家庭・地域が一体となった取組を進めていく必要性を指摘。「子どもたちに学校の教育活動や家庭生活を通じて、運動やスポーツ、外遊びの楽しさを実感させ、運動習慣の定着や生活習慣の改善を図ることが重要」と呼びかけた。

 このあと、健康・体育課の瀬越義範指導主事が本年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について説明した。小学校男子では、二十㍍シャトルラン、五十㍍走、立ち幅跳びが全国平均より下回っていることについて、「各校ではそれぞれの体力の重点取組によって調査結果が異なっている。つぎの手立てをイメージしながら調査結果を確認してほしい」と求めた。

 さらに、調査結果から児童生徒の運動習慣が二極化していることを示し、「毎日歩くこと、休み時間の遊びも運動の一つであることを伝えることで意識改革につながる」と助言。「体育の授業では、目標と何ができるようになったのかを意識させて」と述べた。

 説明後は、参加者同士で自校の体力向上の取組について交流した。

 午後からの実技は、北翔大学の大宮真一准教授を講師に迎えた。

 大宮准教授は参加者に、ウオーミングアップとして、「ジャンケンダッシュ」を促した。参加者は、大宮准教授とジャンケンして、勝ち、負け、あいこによって、体育館の壁にタッチし元の場所に戻ってくることで身体を温めた。

 続いて、跳ぶことに着目した「カンガルーの遠足」を実施。参加者は一つの円になり、「あんたがたどこさ」の歌に合わせて一斉にジャンプした。

 大宮准教授は「ゆっくりするのと早くジャンプするのでは身体の使う部位が違うため、リズムを変えるとよい」と伝え、早くすると足首、ゆっくりすると膝や腰の筋肉を使うようになることを説明した。

 四チームに分かれた「オセロゲーム」は、オセロがある四ヵ所を走り回り、オセロの色を自分のチームの色に変えていくもの。最後に何色が多いかでチームの勝敗を決めた。

 このほか、敷居を越えて全力でボールを投げる「フルーツキャッチ」、壁に付けた手形をタッチする「ジャンプ遊び」なども行った。

 大宮准教授は「自分から工夫してやりたくなる活動によって、運動量を確保できる」と述べた。

 後半は、江別市立大麻小学校の阿部孔明体育専科教諭が、学校の実態に応じた運動プログラムを紹介。柔軟性を高めるストレッチ、走力を高める鬼ごっこ、主運動につながる準備運動を一緒に行った。

 研修は、きょう十日に帯広市総合体育館で道東会場、十二日に八雲町公民館・八雲町総合体育館で道南会場、十六日に旭川市総合体育館で道北会場を開催する。開始時間はいずれも午前十時。

(道・道教委 2016-02-10付)

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