アウトメディアプロジェクトサポーターズセミナー ネットトラブル解決へ 講演や交流などで意識高揚
(道・道教委 2016-02-12付)

アウトメディアセミナー
200人が参加したセミナー

 道子どもの生活習慣づくり推進実行委員会は九日、ホテルライフォート札幌で二十七年度地域ぐるみで「体験の風をおこそう」運動推進事業「どさんこアウトメディアプロジェクト」サポーターズセミナーを開催した=写真=。インターネット上のトラブルを解決する方策や地方創生に向けた地域連携などに関する講演、地域の現状を話し合うサポーターズカフェなどを実施。教職員やPTA関係者、子どもの体験活動の指導者など約二百人が参加し、地域の課題解決に当たる意識を高めた。

 セミナーは、現代のネット社会における子どもたちの現状や課題を共有し、今、地域に求められる役割について考えることによって、参加者自身が主体的に課題解決に当たる意識を高め、子どもの望ましい生活習慣の定着や多様な体験活動・読書活動の充実を図ることを目的に開いた。テーマは「これからの地域の教育力!支援から連携・協働へ」。

 実行委会長を務める佐藤彰道PTA連合会会長があいさつ。学校や地域の取組の充実を目指してきたことにふれ、「今後は、地域に根ざした企業との連携強化を図り、プロジェクトを展開することも必要」と述べ、「地域が一体となって子どもを守り育む体制の構築を目指し、各自が地域における取組のサポーターとなってほしい」と呼びかけた。

 道教委の柴田達夫教育長は、電子メディアの不適切な使い方による様々なトラブル、長時間利用による生活習慣の乱れ、人間関係への影響などを指摘。「使い方や知識を身に付けるだけではなく、マナーやルールを家庭・学校・地域で築くことが大切」と望ましい生活習慣づくりに向けた取組を進めるよう求めた。

 引き続き、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄准教授が「スマホ時代の大人が知っておきたいこと」と題して講演した。

 竹内准教授は、アルバイト店員が冷蔵庫の中に入った写真をインターネット上に公開して問題になった事案、小学校六年生女子がLINEのグループで仲間はずれにされた事例などを提示。スマートフォンの普及とともに、利用者の低年齢化が進んでいる実態を挙げ、「明確に悪意のない言葉のやりとりにおける誤解が人間関係のトラブルになっている」と説明した。

 トラブルの未然防止に向けては、「携帯電話を持たせない条例や使用に関するルールづくりなどの“他律”から、子ども自身で議論したり教え合ったりする“自律”へ変えていくことが重要」と持論を展開した。

 特に、相談できる体制づくりの重要性を指摘し、「親が自転車の乗り方を教える文化と同じように、スマートフォンについて教えることが必要。大切なのは一人ひとりの心で、子どもたちを守るためにそれぞれができることを考えて」と呼びかけた。

 午後は、「これからの学校と地域の連携・協働の姿」と題して、文部科学省コミュニティ・スクール推進員で北海道大学学務部長の出口寿久氏が講演。学校を核に、地域活性化に取り組む事例や、学校における地域との連携・協働体制を組織的・継続的に確立するコミュニティ・スクールの効果も解説した。

 最後に、「サポーターズカフェ~いまこそ、地域の大人がつながり、行動するとき」を行い、地域の現状や課題を交流した。

(道・道教委 2016-02-12付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委と北菓楼が協定締結 三岸好太郎の作品展示 北菓楼札幌本館に、年4回入れ替え

道教委と北菓楼が協定締結  旧道立文書館別館(札幌市中央区北一条西五丁目)を改築し、三月十八日に開店する北菓楼札幌本館に札幌出身の画家・三岸好太郎の作品を展示する「ミギシ・サテライト」が開設されることが決まった。十日...

(2016-02-15)  全て読む

代表高校長研で道教委所管事項説明② 就職指導の改善・充実を 個別の指導計画作成要請

 道教委が開いた二十七年度第四回全道代表高校長研究協議会(五日、道庁赤れんが庁舎)における各課等の所管事項説明概要はつぎのとおり。 ◆高校教育課 【キャリア教育】 ▼インターンシップの...

(2016-02-12)  全て読む

第25期道産業教育審議会が建議 既存学科に「食」「観光」学習導入を提案 特色生かしつつ進学対応指導の充実も

道産業教育審議会建議  第二十五期道産業教育審議会(吉田勝彦会長)は、「社会の変化に対応した産業教育を推進する学科の構成等」についての建議を取りまとめ、九日、道教委に提出した。建議では、今後の産業教育を推進する学...

(2016-02-12)  全て読む

道教委・柴田教育長が教育状況視察 頑張る生徒の姿に感心 オホーツク管内の3校訪問

オホーツク管内柴田教育長視察  【網走発】道教委の柴田達夫教育長は、四日から二日間にわたってオホーツク管内の教育状況を視察した。網走市、置戸町、清里町の小・中・高校三校を訪問し、授業を見学したほか児童生徒と交流。介護実習...

(2016-02-12)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 締結企業数2000社超える 生活習慣定着へ一層の情報発信期待

サポート企業締結式  道教委が進める「道家庭教育サポート企業等制度」の締結企業数が二千二十二企業となった。九日の「どさんこアウトメディアプロジェクト」サポーターズセミナー開会式の席上、㈱北洋銀行との協定締結式を...

(2016-02-12)  全て読む

代表高校長研で道教委所管事項説明① 方針示し家庭等と連携 生徒の政治的活動の指導で

 道教委が開いた二十七年度第四回全道代表高校長研究協議会(五日、道庁赤れんが庁舎)では、各課等の担当者が所管事項を説明した。高校教育課所管事項では、生徒の政治的活動の指導について、文部科学省...

(2016-02-10)  全て読む

いじめ等防止に一定の成果 27年度の目標達成状況―上川教育局

 【旭川発】上川教育局は、上川管内地域いじめ問題等対策連絡協議会で定めた、いじめ・不登校の防止に向けた目標指標の本年度達成状況をまとめた。五日に開いた第二回同協議会で、三つの目標のうち二点を...

(2016-02-10)  全て読む

上川局が第2回いじめ問題対策協議会 次年度の目標など協議 ネットトラブル防止など盛り込む

いじめ問題対策連絡協議会  【旭川発】上川教育局は五日、上川合同庁舎で二十七年度第二回管内地域いじめ問題等対策連絡協議会を開いた=写真=。同協議会員など約五十人が出席し、生徒指導上の諸問題の解決について協議。次年度の...

(2016-02-10)  全て読む

体力向上パートナーシップ形成事業 自校の取組充実・改善へ 「プログラム研修」道央で初開催―道教委

体力向上プログラム研修  道教委は八日、二十七年度体力向上パートナーシップ形成事業「体力向上プログラム研修」道央会場を開催した。大学やスポーツ関係団体などと作成した運動プログラムの普及啓発によって、教諭の指導力や学...

(2016-02-10)  全て読む

道教委が全道代表高校長研開く 教育課程全体の充実要請 教科横断的な視点に立ち

全道代表高校長研  道教委は五日、道庁赤れんが庁舎で二十七年度第四回全道代表高校長研究協議会を開いた。開会式では、菅原行彦学校教育局指導担当局長があいさつに立ち、「教科横断的な視点に立って教育課程全体の充実に...

(2016-02-09)  全て読む