代表高校長研で道教委所管事項説明② 就職指導の改善・充実を 個別の指導計画作成要請
(道・道教委 2016-02-12付)

 道教委が開いた二十七年度第四回全道代表高校長研究協議会(五日、道庁赤れんが庁舎)における各課等の所管事項説明概要はつぎのとおり。

◆高校教育課

【キャリア教育】

▼インターンシップの充実

 道教委では、二月に、関係経済団体に対して、あらためてインターンシップ受入事業所等における日数の拡充に協力いただくよう要請する。

 インターンシップについては、道立中等教育学校を含むすべての全日制道立高校において実施されているものの、普通科において、体験する生徒の割合が低いことが課題となっているほか、実施日数についても、二十六年度は、体験した生徒の約七割が二日以内の実施にとどまっている。

 特に、普通科においては、キャリア教育の趣旨を踏まえ、二十六年五月に作成・配布した「普通科における効果的なインターンシップ指導事例集」を活用するなどして、二十八年度に向け、一人でも多くの生徒が体験できるよう、実施期間や回数を拡大するなど、内容の一層の充実を図っていただきたい。

▼早期離職の防止について

 本年度の道労働局の調査によると、道内新規高卒者が卒業後から三年間に離職する割合は四八・二%であり、全国平均と比較すると八ポイント程度高い状況。

 各学校においては、引き続き、自分の能力・適性、職業に対する理解の深化やコミュニケーション能力の育成を図るため、入学当初から計画的に行う進路相談の実施はもとより、地域の職業人を講師とする職業講話や進路ガイダンスを実施するなど、地域や企業等との連携を深めた取組の一層の充実を図るとともに、保護者にも職業理解を深めていただく機会を拡充するなど、キャリア教育の視点に立って、就職指導の改善・充実に努めていただきたい。

【修学旅行における協議】

 修学旅行の実施に当たっては、生徒の安全を確保することが重要であることから、とりわけ特別な配慮を必要とする生徒が在籍し、旅行中に個別に対応することなどが必要な場合には、必要な引率教員の確保に努めることが必要。

 各学校の状況から、引率人数の増員等が必要な場合は、早めに教育局へ相談し、協議を行っていただきたい。

【スマートフォンの使用に対する指導】

 各学校において、二十七年三月三十日付教高第二一一五号通知「高校生のスマートフォン等の使用に対する指導について」に基づき、生徒による主体的な取組を推進し、スマートフォンの使用についてのルールを定めるなど、スマートフォン等を適切に使用することができるよう、道高校長協会、道高P連および道教委の申合せに基づく取組を一層推進していただきたい。

 また、道子どもの生活習慣づくり実行委員会が推進する「どさんこアウトメディアプロジェクト」において、PTA等と連携し全道各地で普及フォーラムを実施するほか、一月に取組事例集を作成し、各学校に配布した。

 これまで作成した資料等と併せて活用し、スマートフォン等の使用についてのルールづくりなど、生徒が主体となった取組を推進していただきたい。

 なお、二十七年八月に実施した「ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着に関する取組状況調査」の調査を、年度末にも実施する予定。

【学習支援ソフト】

 近年、タブレット等を用いて生徒の予習・復習・自宅学習をサポートするサービスが業者から提供されている。

 システム上で生徒の成績や進路希望などを扱うことが可能なサービスもあるため、導入に当たっては、個人情報の取扱いを慎重に行うなど、学校管理下において適切に対応していただきたい。

【海外からの教育旅行の受入れ】

 より多くの学校が海外からの教育旅行を受け入れることができるよう、年度末までに、道教委のホームページに、受入れの成果や、十一月に調査した「これから受入れを希望する学校の情報」等を掲載する予定。

 各学校においては、情報提供や資料作成の依頼があった場合には、協力いただくとともに、積極的な受入れについて検討いただきたい。

◆特別支援教育課

【「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒等の調査」結果(速報値、十一月一日現在)を踏まえた取組】

▼特別な教育的支援を必要とする生徒

 高校における特別な教育的支援を必要とする生徒は六百四十四人(〇・七%、前年度〇・六%)。

▼個別の指導計画の作成

 高校における個別の指導計画の作成率は八四・五%(前年度四八・五%)。

 未作成の学校は、早急に必ず作成していただきたい。『校内研修プログラム』『校内研修プログラム活用事例集』に作成例を掲載済。

▼校内研修プログラムの活用

 高校における校内研修プログラムの活用率は四九・二%。

 活用していない学校は、早急に必ず活用していただきたい。『校内研修プログラム活用事例集』の二十五ページに「短い時間での活用の事例」を掲載済。

▼研修回数「〇」回の特別支援教育コーディネーター

 高校における研修回数〇回のコーディネーターは三十六人。

 教育局の特別支援教育スーパーバイザー(SV)や高校班に相談するなどして、年度内に必ず解消していただきたい。

【北海道の後期中等教育段階における特別支援教育に関する検討委員会の検討内容】

 第三回(二十八年一月二十五日実施)検討委員会において、高校における障がいの理解や指導に関する教員の専門性の向上が大きく取り上げられているので、引き続き、「校内研修プログラム」や「特別支援教育パートナーティーチャー派遣事業」を活用していただきたい。

◆健康・体育課

【教育課程の適切な編成・実施】

 「体つくり運動」と「体育理論」の領域については、各年次において、すべての生徒に定められた時数を履修させることなどについて、あらためて管理職による年間指導計画の内容の確認を行っていただきたい。

 配当しなければならない時数は、

・「体つくり運動」=各年次七~十単位時間

・「体育理論」=各年次六単位時間以上。

【体力の向上】

 二十九年度までに、高校全日制二年生の体力合計点の平均を全国平均以上としている、道教育推進計画の目標指標を踏まえ、すべての学校の全学年において新体力テストを実施し、自校の生徒の体力の状況を的確に把握した上で、授業改善を中心とした体力向上の取組を進めていただきたい。

【体育活動中の事故防止】

 本年度は、中学校において、柔道の部活動中に生徒が亡くなるという事故があったほか、九月には大阪府八尾市の中学校の体育大会において、組体操のピラミッドが崩れて、生徒が重症を負うという事故が発生したことなどを受けて、二十七年十一月十一日付教健体第七四六号通知「学校における体育活動中の事故防止等について」を発出した。

 高校においても、体育の授業や運動部活動はもとより、体育祭や球技大会といった体育的行事などの本年度の体育活動全般について、通知に添付した「体育活動中の事故防止に向けたチェックリスト」を活用するなどして検証し、必要な改善を行い、事故防止に向けて万全を期していただきたい。

【児童生徒等の健康診断】

 学校における健康診断の内容については、六年に検査項目の大幅な改正が行われたが、近年の児童生徒の健康問題を踏まえ、二十六年四月三十日に、学校保健安全法施行規則の一部改正する省令が公布され、改正された児童生徒等の健康診断については、二十八年四月一日から実施されることとなっている。

 高校に関係する改正の概要については、①座高の検査が必須項目から削除②四肢の状態が必須項目に追加③保健調査の実施が全学年に変更。

 新たに追加される四肢の状態の検査は、学校の保健調査に四肢に関する項目を加えて、日常の姿勢や歩行の異常等を把握し、養護教諭や、担任、体育科の教員、部活動顧問などによる健康観察と併せて整理し、必要の認められた生徒について、内科検診時に学校医による四肢の状態の検査を行うもので、学業を行うのに支障があるような疾病・異常がある場合には、専門医の受診を指示することとなる。

 昨年九月上旬、各学校に配布された『児童生徒等の健康診断マニュアル(公益財団法人日本学校保健会)』を参考に、学校医と事前の打ち合わせを行うなどして、適切に実施していただきたい。

 なお、道医師会の協力をいただき、定期的に発行されている医師会報誌の二月号に検査の方法等を掲載するとともに、各学校にも、会報誌に掲載された内容について通知し、学校医に対して、検査にかかる協力依頼を行う予定。学校医との打ち合わせの際等に、マニュアルと併せて活用いただきたい。

【適切な情報提供】

 道では、本道全域を二十七年度において、「日本脳炎の予防接種を行う必要がないと認められる区域」に指定しているが、二十八年四月一日から日本脳炎にかかる区域指定を行わないこととしている。

 日本脳炎の予防接種は、通常は三歳で二回、四歳で一回、九歳で一回の合計四回受けることとされているが、北海道では、これまで定期の予防接種を行っていなかったことから、これ以外の年齢の方にも、接種が勧奨される。

 また、副反応によって予防接種を差し控えていた時期があり、全国でも予防接種を受けられなかった方がいるため、その方が二十歳になるまでの間、予防接種を受けられる特例制度が設けられている。

 今後、特例制度について、道保健福祉部から各学校へ情報提供される予定であるが、その際には、本人が特例制度を知らないまま、不利益を受けることのないよう、本人および保護者に対し、適切に情報提供を行っていただきたい。

 なお、予防接種を受ける場合には、事前に予防接種の効用や副反応等について十分説明を聞いた上で、「受けるか、受けないか」は最終的に本人または保護者が決定することが基本であり、学校において、予防接種の勧奨を行うものではないことに留意いただきたい。

(道・道教委 2016-02-12付)

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