第25期道産業教育審議会が建議 既存学科に「食」「観光」学習導入を提案 特色生かしつつ進学対応指導の充実も
(道・道教委 2016-02-12付)

道産業教育審議会建議
吉田会長(左)が柴田教育長に建議書を手渡した

 第二十五期道産業教育審議会(吉田勝彦会長)は、「社会の変化に対応した産業教育を推進する学科の構成等」についての建議を取りまとめ、九日、道教委に提出した。建議では、今後の産業教育を推進する学科の構成等について、既存の学科に、本道の特色を生かした「食」や「観光」に関する学習内容を取り入れるなどして、社会のニーズに応える教育の充実を図ることを求めた。また、職業学科としての特色を維持・充実しながら、大学進学にも対応できる指導の充実を図ることなどを提起した。

 第二十五期審議会では、「社会の変化に対応した産業教育を推進する学科の構成等について」をテーマに、二十六年から審議。農業など五専門委員会を設けて、学校視察と協議を行い、その報告を受けながら審議を進め、建議を取りまとめた。

 九日に、吉田会長と亀野淳副会長が道教委を訪れ、柴田達夫教育長に建議書を手渡した=写真=。

 建議は、①今後の産業教育を推進する学科の構成等②定員の充足率が低い職業学科の今後の在り方等③今後の北海道の高校における水産教育の在り方―をまとめている。

 学科の構成等のうち、本道の特色を生かした「食」や「観光」を取り入れた職業学科について、「学科の新設は、卒業後の進路や社会のニーズの変化に柔軟に対応することの難しさなどの面を考慮し、慎重な検討が必要」と指摘。「既存の学科に、〝食〟や〝観光〟に関する学習内容を取り入れるなどして、社会のニーズに応える教育の充実を図ることが大切」と提起した。

 全日制職業学科卒業生の約四割が大学等へ進学している現状に対し、「既存の学科において、職業学科としての特色の維持・充実を図りながら、大学進学にも対応できる指導の充実を図ることが大切」とした。

 定員の充足率の低い職業学科の在り方等にかかわっては、その魅力を高めるため、地域と高校が一体となった取組を要望した。

 拠点校への機能集約については、地域産業を担う人材育成の観点から、学科の配置状況のバランスや、都市部と郡部の違い、中卒者の進路動向などを十分に考慮して検討する必要性を挙げた。

 水産教育については、道内の水産科および専攻科の体制を維持するとともに、最新設備の実習船で実習を行うことが必要とした。

 吉田会長は「次代の産業を担う人づくりの視点に立ち、生徒が夢や希望をもって専門的な知識や技能を身に付けることができるようにとの願いを込めて作成した」と説明した。

 柴田教育長は「建議の趣旨を参考に、本道の産業教育の一層の充実に努めたい」と述べた。

(道・道教委 2016-02-12付)

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