道教委が小中一貫教育推進方針原案 9年間の系統性確保して 3形態示し学力・教育環境充実へ(道・道教委 2016-03-01付)
道教委は「小中一貫教育推進方針(ポリシー)」の原案をまとめた。義務教育学校や併設型小・中学校など、本道における小中一貫推進校の三つの形態を提示。道内の子どもたちの学力や教育環境の課題を解決するため、九年間を見通した学校教育目標の設定やカリキュラム編成など、小中一貫教育の高度化を全道規模で積極的に推進する方向性を示した。
道教委では、全国学力・学習状況調査の結果から、「義務教育九年間の早い段階で学習につまずいている状況がみられる」「一時間以上勉強している割合が低く勉強の仕方や学び方が身に付いていない」「全国を上回るスピードで児童生徒が減少し、切磋琢磨する環境や社会性の育成に相対的に不利な条件で教育活動を行っている学校がある」ことを本道の課題として認識。
これらの課題解決に向けた方向性として、これまでの小中連携、一貫教育の成果を踏まえた小中一貫教育の高度化を全道規模で積極的に進めることを示した。
具体的には、「義務教育終了時点で身に付けさせるべき学力や学習状況を意識し、九年間の系統性・連続性に配慮した年間指導計画に基づいた指導体制の構築」「発達の段階に応じた学習方略(学び方)を踏まえ、児童生徒が自分にふさわしい学習方法を模索するような態度を育てる指導を九年間通して継続していく仕組みの構築」を掲げた。
本道における小中一貫推進校として、①義務教育学校②併設型小・中学校③連携型小・中学校―の三つの形態を提示。九年間の教育目標の設定、九年間の系統性を確保した教育課程の編成を行うこととしている。
学校教育法等改正で創設された「義務教育学校」は、九年間を修業年限とし、一人の校長のもと、原則小・中の免許を併有した教員で組織。施設一体・分離を問わず設置可能となっている。
政省令改正で規定された「中学校併設型小学校・小学校併設型中学校」、および法改正にかかわらず小中連携、一貫教育を独自に推進する「連携型小・中学校」は、学校ごとに校長や教職員を配置するが、施設一体・分離のどちらでも実施できる。
義務教育学校と併設型小・中学校では、小・中学校の学習指導要領を準用した上で、一貫教育の実施に必要な教育課程の特例の創設、指導事項の学年・学校段階の入れ替え・移行ができる。
また、小中一貫教育において考えられる教育的効果として、「九年間を見通した系統性のある指導による基礎学力の定着と自己肯定感・自己有用感が育まれる」「小学校での教科担任制や小・中教職員によるTT授業など多様な学習形態の工夫によって、知的好奇心の向上、学習内容の補充が可能となる」「「“中一ギャップ”の解消」「教職員の指導力の向上」を挙げた。
市町村教委や学校の取組のポイントして、九年間を見通した学校教育目標の設定と身に付けさせたい力を明らかにすること、九年間連続した指導内容と指導方法を示したカリキュラム編成、小中すべての教職員による協働体制、保護者や地域住民の協力体制の整備などを示した。
ポリシーは、道「小中一貫教育推進事業」運営会議などで協議し、来年二月までに決定する予定。
(道・道教委 2016-03-01付)
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