道教育大釧路校教職大学院　専門性・力量向上目指し　ＭＯＢ発表会開き研鑚積む

（学校 2016-03-03付）

発表する神田教諭

　【釧路発】道教育大学釧路校教職大学院は二月二十日、同校で教職大学院ＭＯＢ（マイオリジナルブック）発表会を開催した。院生や教員、教育関係者など、約三十人が参加。修了予定者の教職大学院で学んだ集大成の発表を通して、教師としてのより高度な専門性と力量を高め合った。

　教職大学院では、院生が様々な経験や事例をもち寄り、論理的な検証を加えて、理論と実践を往還しながら解決の道を探ったり、学校・地域社会との連携・協力を図りながら、現場における具体的な問題を解決したりするなど、授業実践力、学級・学校経営力、生徒指導力、教育相談力、協働遂行力、地域連携教育力等を身に付けている。

ＭＯＢは、こうした勤務校や自分の課題を研究主題に掲げ、実証的・実践的な研究を通して成果をまとめたもので、修士論文に代わるものとして作成が課せられている。

この日は、現職教員八人と学部卒業生五人が発表した。このうち、網走市立白鳥台小学校の神田秀樹教諭は「道徳教育および道徳授業の質的向上のために―教育課程編成、授業改善、評価の実際を通して」のテーマで発表した＝写真＝。

　神田教諭は「道徳の教科化は、これまでの道徳教育、とりわけ要としての道徳授業が児童の道徳性の育成に十分な役割を果たしてこなかったことを示している」と指摘。教育課程の編成については、「校長が示す年度の学校経営方針から道徳教育の重点内容項目を導き出し、各計画に一貫して反映させる」と示した。

　また、特別活動については、「育てる道徳性を明確にし、学校全体で共有するとともに、家庭・地域に積極的に発信することが重要である」と実践例を交えて強調した。

　評価の在り方については、「年度当初に、個々の児童の育てるべき道徳性を家庭、児童、学校の三者で共有し、基本的な評価の視点や場面を決めておくこと」を提案した。

　最後に、釧路教育局義務教育指導班の冨田直樹主査が講評した。

(学校 2016-03-03付)