道立・地域美術館の連携で道教委 29年度にも構想策定へ 新年度は所蔵品調査や企画検討など
(道・道教委 2016-03-10付)

 道教委は二十九年度、道立美術館と地域の美術館との連携に関する構想を策定する方針を固めた。二十八年度は、地域の美術館の所蔵作品や施設などを調査するとともに、五つの道立美術館と連携してどのような展示企画が可能かを検討。道内の美術館等全体の活性化を目指し、多様で魅力的な芸術文化を広く発信していく。

 八日に開かれた一定道議会一般質問において、柴田達夫教育長が塚本敏一議員(自民党・道民会議)の質問に答えたもの。

 柴田教育長は「道内には様々な地域に、本道の雄大な自然やロマン、生活の営み、生命力をテーマとした絵画や彫刻のほか、国内外の評価の高い作家や個性的な作家の作品を収集・展示する数多くの美術館や文化施設がある」と述べ、各館がそれぞれの特色を生かして芸術文化を発信していることを説明。

 その上で、道内の美術館等が有する多様で魅力的な芸術文化を、それぞれの施設が連携協力して、道民や本道を訪れる国内外の多くの人に効果的に紹介し発信することに言及し、「食や観光に加え、アートという本道の新たな魅力づくりとともに、資源や人などの広域的な好循環をつくり、地域振興にも資するもの」と強調した。

 そのために、今後、道立近代美術館、道立三岸好太郎美術館などの道立美術館が、公設施設の枠組みを超えて、道内各地域の美術館や文化施設と連携協定、ネットワーク化を積極的に進め、双方向でアートを紹介・発信する必要性を指摘。本道全体がアートギャラリーとなるような取組方策を取りまとめた構想を策定する方針を明らかにした。

 道教委文化財・博物館課によると、二十八年度に庁内会議を発足し、五つの道立美術館と地域の美術館等が連携してどのような展示企画が可能かを調べるため、地域の各美術館の所蔵作品や施設などを調査。二十九年度中に構想を策定し、三十年度から互いの作品を展示し合うなど、展覧会を行っていく。

(道・道教委 2016-03-10付)

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