【解説】27年人権侵犯事件―法務省
(解説 2016-03-24付)

 昨年一年間に全国の法務局や人権擁護委員が相談を受け調査した「人権侵犯事件」のうち、学校でのいじめに関する事案が三千八百八十三件と、前年に比べ三・二%増加したことが法務省のまとめで分かった。ピークだった二十五年の件数(四千三十四件)には及ばないものの、依然として憂慮すべき状況にある。

 二十七年における新規救済手続開始件数は、前年比三・二%減の二万九百九十九件。

 このうち、インターネット上に個人情報や誹謗中傷などが書き込まれた人権侵害が一千七百三十六件と前年より二一・五%増加し、最高件数を三年連続で更新した。

 学校におけるいじめ、いわゆる学校側の対応が不適切だったとする内容のものが前年比三・二%増の三千八百八十三件で、全事件中最も多く一八・五%を占めた。人権擁護機関が取り扱う人権侵犯事件で、学校におけるいじめ事案の割合が最高になったのは初めて。

 旧受理分を含め三千八百八十四件について救済手続が完了。学校と連携して被害児童生徒をケアする「援助」が三千八百二十二件、学校と保護者の間で「調整」を行ったのが十件、学校側に必要な措置を求めた「要請」が四件。体罰をした教員本人に改善を求める「説示」のほか、関係行政機関に情報提供し、措置の発動を求める「通告」、いじめをした本人への「勧告」や捜査機関への「告発」はなかった。

 一方、教職員による人権侵犯事件数は、前年比〇・四%増の一千五百十一件。このうち、体罰は一三・九%減の四百九十四件と、二年連続で減少した。

 体罰に関する救済手続完了件数は旧受理分を含め五百四十一件。援助が百七十件、調整が二件、要請が二百三十八件、説示が二百二十二件。

(解説 2016-03-24付)

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