【解説】卒業後5年間は新卒扱いに(解説 2016-04-12付)
経済同友会は、大学生の就職活動について、大学の学部卒業後五年程度までの既卒者を、新卒扱いにし通年採用を行う「新卒・既卒ワンプール/通年採用」を導入するよう提言した。
近年、大学生の就職活動をめぐっては、経団連による採用活動開始時期の見直しが図られたものの、すべての企業が一律にスケジュールを順守することは難しく、学生の負担が増加するなど、さらなる混乱を来している。
大学卒業後三年以内の離職率が三割と高止まりしている背景について、経済同友会は、一度の就職活動で将来が決まるワンチャンス就活によって学生が望まない就職をするミスマッチが生じているとして、新卒一括採用による弊害の顕在化を指摘。新卒で正社員として就職できなかった世代は、その後も非正規雇用のまま固定化する傾向が強く、将来に不安を抱えた生活環境から抜け出せないケースが多いなど、現在の新卒採用の問題点を挙げた上で、若者にとっての望ましい就職活動、採用方法の新たな在り方を提言した。
大学の学部卒業後五年程度までを新卒扱いとし、卒業後に多様な学びや経験を経て、企業が求める資質・能力を高めた人材を新人として採用する案を提言。卒業後に切れ目なく就職できる新卒一括採用の枠組みも存続させながら、在学中は学業に励み、卒業してから就職活動を開始した既卒者も新人として採用することを求めた。
また、採用を年二~四回、入社は春・秋の二回など通年採用を取り入れることも示し、企業側には採用時における四年間の学業成績、卒業後の学びの重視や、学部一、二年生段階での長期(一ヵ月以上)のインターンシップの実施、大学側には学生の卒業時の資質・能力の保証、卒業時期の弾力化などを求めた。
(解説 2016-04-12付)
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