上川教育研修センター講座がスタート 資質能力向上へ研鑚積む 学級経営などテーマに約40人(関係団体 2016-05-18付)
いじめ不登校講座
【旭川発】上川教育研修センターの二十八年度研修講座がスタートした。十日にいじめ・不登校、十一日に特別支援教育、十二日に学級経営の講座をそれぞれ同センターで実施。三講座で約四十人が参加し、講義や実践交流などを通し、教員としての資質能力向上に努めた。
◆いじめ・不登校未然に防ぐ指導
十日に開かれたいじめ・不登校講座「一人ひとりを大切にし、〝いじめ・不登校〟を未然に防ぐ指導」では、旭川市立啓北中学校の青山理加子教諭が講義した。このほか、旭川市立永山中学校の古谷斉教諭による提言や、参加者同士でのグループ交流を行った。
青山教諭は「いじめ・不登校の態様や状況に応じた取組の在り方について」と題して講義した。不登校学級がある啓北中の取組、保護者との相談・連携体制を紹介した。
また、秋田県総合教育センターが掲げる不登校の類型を提示。その類型に当てはめた事例を解説し、問題解決には、個別の丁寧な対応、母親や医療機関との連携、活躍の場の提供等が重要であることを伝えた。
つぎに、古谷教諭が「いじめ・不登校の予防と対策の在り方~いじめと不登校指導の在り方」について提言した。不登校の子どもの目線に立つとともに、定期的な家庭訪問を通し、子どもが安心して登校できる、登校したくなる関係づくりの大切さを指摘した。
その上で、再登校の支援を進め、不登校の子どもの意向を尊重しながら、できる限り事実を学級に伝え、学級の受け入れ体制を準備することの大切さを説いた。
このあと、いじめ・不登校の未然防止に向けた方策について実践交流した。
◆ニーズに応える特別支援教育
十一日には、研修講座「個別の教育ニーズに応える多様な指導の充実を図る特別支援教育」が開かれた。研修テーマは「障がいの特性に応じた指導の充実と校内支援の在り方」。道立特別支援教育センター視覚障がい教育室の沓澤整治研究員が講義したほか、旭川市立西御料地小学校の津越由紀希教諭が提言した。
沓澤研究員は、特別支援教育に関する国の動向、個別の指導計画の作成における留意点について解説したほか、自閉症などをはじめとした障がいの特性に応じた指導の工夫などについて紹介。全体および個別での指導、ICTの効果的な活用についても説明した。
続いて、津越教諭は通常学級との交流授業「交流学級」の取組や、障がいのある児童の特性を踏まえた指導事例について紹介した。
また、校内支援体制における留意点について説明し、「保護者や交流する学級の担任と、個別の計画をもとにしっかりと話し合うことで交流学級での具体的な支援が見えてくる」と展開。相手に障がい名を伝えるだけではなく、特別支援学級での指導方針や目標を共有することの重要性を指摘した。
提言後、実践交流に移り、日ごろの教育課題や取組について意見交換した。
なお、同講座の第二回は六月十日に旭川市立高台小学校と旭川市立広陵中学校で実施する予定。
◆自己実現実感できる学級経営
十二日には、学級経営「児童生徒一人ひとりが自己実現を実感できる学級経営」の研修講座が行われた。旭川市立東五条小学校の與板博志教頭による講義や、旭川市立神楽岡小学校の石持英世教諭が講師を担当。参加者は、講義・提言のほか、意見交流などで研鑚を積んだ。
うち、與板教頭は学級経営の留意点を説明。班・当番活動や朝の会と帰りの会、学校行事などでの振り返り活動、落ち着いた教室環境整備に取り組むよう求めた。
学級経営の状態を把握するため、子ども理解支援ツール「ほっと」や「Q―U」の活用を推奨。その上で、日常の授業改善に加え、他の教員を巻き込み、子ども一人ひとりの情報を教員間で共有して対応するよう呼びかけた。
石持教諭は「児童生徒の望ましい人間関係を育てる学級経営」と題して提言。自らの実践例を紹介し、子どもや子ども同士、保護者、教員との円滑な人間関係づくりの大切さを説いた。
おわりに、実践交流を行い、参加者で望ましい人間関係を育てる学級経営について話し合った。
なお、第二回の講座は十月十一日に旭川市立旭川小学校と旭川市立明星中学校で行う。
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特別支援教育講座
学級経営講座
(関係団体 2016-05-18付)
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