【解説】27年度通級による指導実施状況
(解説 2016-05-19付)

 公立小・中学校および中等教育学校(前期課程)の障がいのある児童生徒のうち、通常学級に在籍しながら必要に応じて別の学校や教室で授業を受ける通級指導の対象者は、昨年五月一日時点で九万二百七十人にのぼり、過去最多を更新したことが、文部科学省の調査で分かった。

 通級指導を受けている児童生徒は、小学生八万七百六十八人、中学生九千五百二人の計九万二百七十人で、過去三年間で一五・九%増加している。

 障害種別の内訳は、言語障害が三九・一%で最多。注意欠陥多動性障害(ADHD)一六・二%、自閉症一五・七%と続く。ADHDが二千三百九十六人増、情緒障害が一千二百二十八人増、学習障害(LD)が一千百八十二人増など、ほぼすべての障害種で前年度より増加している。

 通級指導の単位時間数(小・中合計)をみると、週一単位時間が五二・一%、週二単位時間が三〇・八%で、この二つで全体の八二・九%を占める。通級の形態(同)は、自校通級が四六・五%、他校通級が四六・六%、巡回指導が六・八%。障害の種別によって自校通級と他校通級の児童生徒の割合は異なり、LD、ADHDの児童生徒は自校通級の方が多い。

 障がいのある児童生徒を担当する教員も増えており、この三年間で一二・九%増加し、二十七年度には七千六人となった。担当教員一人当たりの児童生徒数は平均十三人程度で、ここ数年横ばいの状況。複数の障害を担当している教員の割合は六八・八%で、前年度より一・六ポイント増加。通級指導教室を設置している学校(特別支援学校を含む)も三年間で一一・三%増え、二十七年度は四千二十八校、全公立小中学校の一三・二%(前年度は一二・四%)の学校で通級による指導が行われている。

(解説 2016-05-19付)

その他の記事( 解説)

【解説】高卒者就職率、バブル期上回る

 今春高校卒業者の就職率(就職者の就職希望者に対する割合)は、三月末現在で前年同期比〇・二ポイント増の九七・七%と、六年連続で改善したことが文部科学省の調査で分かった。バブル期の就職率(五年...

(2016-05-26)  全て読む

【解説】大卒就職率、過去最高97・3%

 この春卒業した大学生の就職率(四月一日時点)は、前年度同期を〇・六ポイント上回る九七・三%と、五年連続で上昇し、調査を開始した平成九年三月卒業者以来、過去最高の水準となったことが厚生労働省...

(2016-05-25)  全て読む

【解説】教育再生会議が第9次提言

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は二十日、障害児や不登校の子どもたちに対する教育の充実や、特に優れた能力を伸ばす教育の実現などを盛り込んだ「第九次提言」を安倍晋三首相に提...

(2016-05-24)  全て読む

【解説】高校生バイト、33%トラブル経験

 アルバイトの経験がある高校生の三二・六%が、労働条件などで何らかのトラブルを経験していたことが厚生労働省の調査で分かった。  労働条件が過酷な「ブラックバイト」の問題を受けて調査。昨年十...

(2016-05-23)  全て読む

【解説】医療的ケアに関する調査結果

 全国の公立特別支援学校において、昨年五月一日現在、日常的に医療的ケアが必要な幼児児童生徒は、前年度に比べ三百六十九人多い八千百四十三人と、平成十八年度の調査開始以来、最も多かったことが、文...

(2016-05-20)  全て読む

【解説】特別支援教育体制整備調査

 文部科学省は、二十七年度特別支援教育体制整備状況調査の結果をまとめた。  調査は、国公私立の幼・小・中・高校・中等教育学校および幼保連携型認定こども園の四万八千八百九十三校(園)を対象に...

(2016-05-18)  全て読む

【解説】独自の学力調査行う教委数

 文部科学省は、本年度に小・中学校を対象とした独自の学力調査を計画している都道府県・指定都市の教育委員会数をまとめた。  全国四十七都道府県、二十指定都市教育委員会で、ことし四月一日現在、...

(2016-05-17)  全て読む

【解説】子どもに対する前兆事案―3月末

 道警本部少年課がまとめた「子どもに対する前兆事案の届出受理状況」によると、三月末で前年同期より三十三件少ない百八十三件を受理した。  前兆事案とは、子ども(十三歳未満)を対象とする性犯罪...

(2016-05-16)  全て読む

【解説】民生委員・児童委員の日

 五月十二日は、全国民生委員児童委員連合会が定める「民生委員・児童委員の日」。同会では十二日から十八日までを「活動強化週間」として、国民に民生委員・児童委員の存在やその活動について、一層の理...

(2016-05-13)  全て読む

【解説】待機児童、幼稚園での受入れ拡大を

 希望しても保育所などに入れない待機児童問題で、文部科学省はゼロ歳から二歳児までの「小規模保育」や「一時預かり」を幼稚園でも積極的に実施するよう、自治体に求める通知を発出した。内閣府、厚生労...

(2016-05-12)  全て読む