道教育大釧路校と釧路市教委　進路見据えた対応を　不登校対策で初の連携講義開く

（学校 2016-05-25付）

グループ討議を行い、不登校児童生徒や家庭への支援方策などを考えた

　【釧路発】道教育大学釧路校は十九日、同大で釧路市教委と連携した不登校対策に関する講義を実施した＝写真＝。市教委学校教育部教育支援課の齊藤崇指導主事など三人を講師に招き、約五十人の学生が不登校の事例についてグループ討議。不登校児童生徒や家庭への支援方策、関係機関との連携などについて考えを深めていた。

　同大の戸田竜也講師が担当する講義「障害児の福祉と地域支援」では、学校が地域や関係機関と連携する視点について学んでおり、様々な外部講師を招くこととしている。

　今回は、初の試みとして、市教委の齊藤指導主事、西館慎社会教育主事、スクールソーシャルワーカーの小林久美氏の三人を招いた。

　最初に、西館社会教育主事が、市の不登校対策事業について説明した。市内には、不登校の子どもが通う釧路教育研究センター内の適応指導教室、城山小学校内の不登校学級があるほか、「ファーストステッププログラム」事業を推進していることを紹介した。

　ファーストステッププログラム事業では、釧路まりも学園が運営する「釧路こども家庭支援センター」を拠点に活動しており、夏休み学習会、編み物、折り紙、卓球などを行っていることを伝えた。

　このあと、齊藤指導主事が不登校の事例を提示。学生は九つのグループに分かれて、子どもや家庭への支援、解決方法について意見を出し合った。

　齊藤指導主事は、不登校児童生徒とかかわるときには、受容し指導力を発揮すること、子どもをしっかりととらえること、信頼関係を築くことなどをポイントに挙げ、「児童生徒が自己決定することを大切にしてほしい。進路を見据えて対応を考えるとともに、関係機関と連携するための役割を理解して」と呼びかけた。

(学校 2016-05-25付)