次期教育長計策定へ審議開始 地域全体で環境づくりを 第1回道教育推進会議開く(道・道教委 2016-05-25付)
初会合では、委員からICTの効果的な活用や、指導者の育成・確保などを求める声が出された
本年度から条例化された道教育推進会議の第一回会議が二十三日、札幌市内の道第二水産ビルで開かれた。道教委の柴田達夫教育長からの諮問を受け、次期道教育長期総合計画の策定についての検討を始めた。委員からは、「今ある環境をどのように使って、より良い教育ができるのかを考えなければならない」「教員が誇りと自信をもって教育活動を続けることができるよう、地域全体で環境づくりを行う必要がある」などのほか、ICTの活用や指導者の育成・確保などを求める意見が出た。
道教育推進会議は、これまで設置要綱に基づいて設置。道教委の活動状況に関する点検・評価などを行っていた。
ことしの一定道議会で、道教育推進会議条例が可決。道教委の附属機関に位置付け、道教委の管理・執行状況の点検・評価のほか、諮問に応じて、基本的な計画の策定・変更について調査審議することを所掌事項とした。
第一回会議には、委員十一人=別掲=のうち十人が出席。会長に北海道大学大学院教育学研究院教授・研究院長の小内透氏、副会長に臨床心理士の中村泰江氏を選出した。
このあと、柴田教育長が小内会長に諮問書を手渡した。諮問では、三十年度から五年間の第五次道教育長期総合計画の策定に向け、施策の基本的な方向性や個別・具体的な教育施策の体系的な整理、計画の進行管理に適した具体的な成果指標の在り方などについて審議するよう求めた。
教育長計策定についての協議に入り、委員からは、人口減少問題にかかわって、「小規模校を維持するためには、教育委員会だけでは解決できない問題が出てくる。本道全体で考えていく必要がある」「十年後には多くの学校がなくなる可能性がある。その状況を見通して、教育について考えていかなければならない」などの意見が出た。
併せて、「ICTの活用によって、広域な本道ならではの教育ができるのでは」「本道の広さを考えると、教員が隣の学校に行って指導するような取組は難しい。キャンパス校における遠隔授業の効果に注目したい」など、ICT活用を求める声が出た。
教育を支える基盤づくりについて、「今ある環境をどのように使って、より良い教育ができるのかを考えなければならない」「地域が一丸となって取り組む環境づくりが必要ではないか」「教員が誇りと自信をもって教育活動を続けることができるよう、地域全体で環境づくりを行う必要がある」などと指摘する意見があった。
「特別な配慮が必要な子どもが増えている。その対応のためには、いろいろな配慮ができる教員を増やさなければならない」「開かれた学校づくりのためには、民間から学校へ人材を招き、コーディネートしてもらうことも必要」などと、指導者の育成・確保の必要性を挙げる声が出た。
柴田教育長は、これらの意見を受け、「人口減少社会にあって、どのように教育の環境を維持し、質を確保していくのか、いろいろな知恵が必要になる。皆さんの意見すべてがキーワードになる」と述べた。
◆道教委の活動状況を点検・評価
第一回道教育推進会議では、道教委の活動状況に関する点検・評価についても協議した。
点検・評価報告書素案の説明のあと協議。体力向上にかかわって、「学校以外でどのように取り組むかが課題。公園では、ボール遊びができないなどのルールがあり、子どもは運動をせず、ゲームをしたりする。一時的なイベントではなく、毎日の積み重ねが必要。子どもの声がうるさいという声が出るなど、住民意識が変わってきたが、それを乗り越えなければならない」などの意見が出た。
点検・評価報告書は八月ころまでに取りまとめる。
◆道教育推進会議委員=敬称略=
▼市町村関係
▽鎌田英暢(石狩市教委教育長)
▽兵頭利彦(厚真町教委教育長)
▼民間経営者等
▽岡仁子(北海道テレビ放送㈱CSR広報室長)
▽星野尚夫(㈱札幌振興公社代表取締役社長)
▼大学教授等
▽小内透(北海道大学大学院教育学研究院教授・研究院長)―会長
▽中村泰江(臨床心理士)―副会長
▼社会教育関係
▽山中ちあき(日本青年団協議会顧問)
▼学校教育関係
▽松井光一(札幌市立手稲東小学校長)
▽古谷雅幸(札幌市立中の島中学校長)
▼PTA関係
▽森政徒(道PTA連合会副会長)
▼公募
▽青田基(㈱函館アポロ商会代表取締役)
(道・道教委 2016-05-25付)
その他の記事( 道・道教委)
28年度日高管内教育推進の重点(高・特) 必要な資質・能力育んで 夢と希望もてる学校教育創造
【浦河発】日高教育局は四月二十日、浦河町内の日高合同庁舎で二十八年度日高管内公立高校長・特別支援学校長会議を開催した。赤間幸人局長が本年度日高管内教育推進の重点を説明し、「今と未来を生きる...(2016-05-30) 全て読む
道教委と道議会文教委 補正含め早期の財源確保を 学校施設整備で国へ緊急要望
道教委と道議会文教委員会は二十四日、文部科学省に対して、二十八年度公立学校施設整備費予算に関する緊急要望を行った=写真=。文科省が、学校施設環境改善交付金の内示で、危険改築事業などの新規要...(2016-05-27) 全て読む
ユニセフ・キャラバン・キャンペーン 国際協力への参加求める 知事・教育長とメッセージ交換
公益財団法人日本ユニセフ協会(赤松良子会長)は、本道での「ユニセフ・キャラバン・キャンペーン」の一環として二十四日、同協会学校事業部の千寿満城参事などキャラバンメンバーが高橋はるみ知事およ...(2016-05-27) 全て読む
将来見据えた改革要請 道教委が高・特新任校長研
道教委は二十三・二十四日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度公立高校および特別支援学校新任校長研修会を開いた=写真=。初日の開会式であいさつに立った高校教育課の河原範毅課長は「信頼される...(2016-05-26) 全て読む
28年度日高管内教育推進の重点 目的達成へ実践積み上げ 資質・能力の確実な育成目指し
【浦河発】日高教育局は四月中旬、浦河町総合文化会館で二十八年度管内公立小・中学校長会議を開催した。赤間幸人局長が本年度管内教育推進の重点を説明。「今と未来を生きる日高の子どもたちに届ける日...(2016-05-26) 全て読む
建設業の魅力を知って! 小・中・高対象にPR講座 道建設部が開催呼びかけ
道建設部は、社会資本整備や除雪、災害時の対応など、地域の安全・安心を守る上で大きな役割を果たす建設業の魅力を知ってもらおうと、全道の小・中・高校に「建設業PR講座」の開催を呼びかけている。...(2016-05-25) 全て読む
地域医療支える人づくり事業―道教委 岩見沢東など9校指定(28~30年度) 第2学年でも医進類型設置可能に
道教委は、「地域医療を支える人づくりプロジェクト事業」の医進類型指定校(二十八~三十年度)に岩見沢東高校など九校、協力校(二十八年度)に札幌西高校など六校を指定した。医進類型指定校において...(2016-05-23) 全て読む
道教委・新しいサイエンスカー「夢ラボ わくわくじっけん号」公開 小学生が体験学習満喫
どこでも最先端の科学技術を直接体感!!―。観察・実験を通して理科を学ぶ楽しさを知ってもらおうと、道内の学校を移動してまわる最新のサイエンスカーが十二日、江別市内の道立教育研究所で初めて公開...(2016-05-23) 全て読む
高・特校長会議の道教委所管事項説明(5) ストレスチェック実施へ 特定検診の受診など促進
◆成田教育職員局長 【給与課所管事項】 ▼学校職員人事評価結果の給与への活用 地方公務員法の改正に伴い、ことし四月一日から学校職員人事評価制度の運用が開始されたが、評価結果の給与への...(2016-05-20) 全て読む
高・特校長会議の道教委所管事項説明(4) 各種事業の積極的活用を 配置計画案は6月上旬提示
◆土井新しい高校づくり推進室長 ▼高校配置計画 本年度は、すでに決定済の二十九年度、三十年度の配置計画に、三十一年度の計画を加えた三年間の計画を策定するものであり、例年同様、六月上旬に...(2016-05-20) 全て読む