学力向上に向けた学校の取組 補充的学習サポートを 道教委がPTAアンケート
(道・道教委 2016-06-02付)

 道内小・中学生の保護者は、学力向上のため、学校に対して長期休業期間おいて補充的な学習サポートを求めていることが、道教委の二十七年度「北海道の教育に関するPTAアンケート」調査で明らかになった。小学校、中学校ともに長休中の補充的な学習サポートが最も多く、そのほかに、放課後の補充的学習サポートや習熟度別少人数指導、平日・土日の宿題を求める声も多かった。また、学校が行う児童生徒に基礎学力を身に付けさせるための取組や、学習規律・生活規律の指導、全国学力・学習状況調査結果の説明などを評価する声が、二十六年度よりも増加した。

平日・土日の宿題求める声も

 同調査は、教育の諸課題に関する保護者の意見や要望を把握し、道教育推進計画(改定版)の推進管理や教育施策の改善に活用することを目的に毎年度実施している。

 札幌市を除く道内公立小・中学校一千四百四校(小学校八百九十一校、中学校五百十三校)の単Pを対象に、ことし一~三月に調査を実施。九百十三校(小学校五百八十一校、中学校三百三十二校)から有効回答を得た。回収率は六五・〇%。

 調査項目は、①学校の学力向上の取組②いじめ問題への取組③学校および教員の資質・能力や姿勢④学校と地域の連携の状況―に対する評価。

 このうち、「学力向上の取組への評価」についてみると、学校が「読み書き計算をはじめとする基礎学力を身に付けさせていると思うか」との質問に対し、小学校は「そう思う」五三・五%、中学校は「概ねそう思う」四七・七%が最も多い。

 「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校が九六・七%、中学校が九二・一%。二十六年度調査と比較すると、小学校で一・三ポイント、中学校で〇・二ポイント上回っている。また、中学校の「そう思う」は、二十六年度よりも二・三ポイント増加した。

 「すべての子どもたちに基礎学力を身に付けさせるため、放課後や夏休み・冬休み期間に補充指導を十分行っていると思うか」との質問に対しては、「概ねそう思う」が小学校四六・四%、中学校四八・三%と最も多い。

 「そう思う」「概ねそう思う」の合計は、小学校が八〇・八%、中学校が八二・七%。二十六年度との比較で、小学校〇・五ポイント、中学校二・五ポイント増加している。「思わない」「あまりそう思わない」の合計は、小学校〇・三ポイント、中学校二・〇ポイント減少した。

 「平日や週末に、宿題を出したり、宿題の点検をしたりする取組を、学校全体で行っていると思うか」との問いには、小学校で「そう思う」五七・五%、中学校で「概ねそう思う」四六・八%が最も多かった。

 「そう思う」「概ねそう思う」の合計は、小学校が九二・七%、中学校が八五・一%。小学校は一・二ポイント減少したが、中学校は〇・九ポイント増加した。

 「学力向上のため、学校に取り組んでほしいこと」(複数回答)をみると、小学校は、「長期休業期間の補充的な学習サポート」五〇・一%が最も多く、次いで、「習熟度別少人数指導」四九・四%、「平日の宿題」四二・五%、「放課後の補充的な学習サポート」四一・〇%、「土日の宿題」三三・七%の順。

 中学校では、「長期休業期間の補充的な学習サポート」五五・七%が最も多く、以下、「習熟度別少人数指導」五四・八%、「放課後の補充的な学習サポート」五二・一%、「平日の宿題」三五・五%、「土日の宿題」二五・六%の順となっている。

 二十六年度との比較は、小学校で「長期休業期間の補充的な学習サポート」が一・七ポイント増、中学校で「放課後の補充的な学習サポート」が二・九ポイント増と最も増加している。その一方、小・中学校ともに、「取り組まなくてもよい」が伸びをみせている。

 また、「学校全体として、学習規律・生活規律がしっかりと指導されていると思うか」との質問に対し、「そう思う」「概ねそう思う」の合計が小学校で九三・七%、中学校で九四・六%と、ともに九割を超え、二十六年度よりも小学校一・六ポイント、中学校一・七ポイント増加。

 「全国学力・学習状況調査の結果を、保護者に分かりやすく説明していると思うか」との問いには、小・中学校とも、「そう思う」「概ねそう思う」の合計が八三・一%。小学校で四・二ポイント、中学校で一・四ポイントのアップとなった。

(道・道教委 2016-06-02付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委が高校・特別支援学校新任教頭研 管理職の〝4つの対応〟を 「メンタルヘルス」テーマに講話

道教委新任教頭研  道教委は五月三十・三十一日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度公立高校および特別支援学校新任教頭研修会を開いた。二日目には、福利課の元田夏紀医療主幹が「教職員のメンタルヘルス」をテーマに...

(2016-06-03)  全て読む

道教委がキャリア教育推進会議 CS導入で地域と連携を コーディネーターの育成必要

キャリア教育推進会議  道教委は一日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度第一回道キャリア教育推進会議を開いた=写真=。「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」の一環。会議では、「コミュニティ・スクール(CS)...

(2016-06-03)  全て読む

来場者、1万人に到達!! 「フランス近代美術をめぐる旅」―函館美術館特別展

函館美術館入場1万人記念式典  【函館発】道立函館美術館で開会中の特別展「フランス近代美術をめぐる旅」の来場者が一万人に達した。五月二十七日には、入場者一万人記念式典が執り行われた。記念すべき一万人目となった北出喜代彦さ...

(2016-06-03)  全て読む

上川局が第1回地域未来づくり会議 郷土を愛する取組充実へ 今後の効果的な連携等協議

上川局管内地域未来づくり会議  【旭川発】上川教育局は五月二十七日、富良野緑峰高校(宮本鎮栄校長)で二十八年度第一回管内地域未来づくり会議を開いた=写真=。道教委の小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業の一環。同事業指定...

(2016-06-03)  全て読む

教育支援センター設置促進へ 今後の支援の充実目指して 道教委が第1回連絡協議会開く

教育支援センター連絡協議会  道教委は一日、道庁本庁舎で本年度第一回「教育支援センター等の設置促進支援事業」連絡協議会を開催した=写真=。本年度の新規事業で、委託された苫小牧、岩見沢、小樽、石狩の四市教委から担当者が出...

(2016-06-03)  全て読む

30事業8億3千万円追加採択 文科省の学校施設環境改善交付金

 文部科学省の学校施設環境改善交付金で、道内市町村の三十事業、八億三千万円が追加採択されることが明らかになった。  本年度当初時点の国の公立学校施設整備費が文科省の概算要求額に比べて約一千...

(2016-06-02)  全て読む

学校力向上総合実践事業―道教委 恵庭市若草小など指定 CS制度を積極的に導入

 道教委は、「学校力向上に関する総合実践事業」の二十八年度実践指定校に恵庭市立若草小学校など四校、近隣実践校に恵庭市立恵庭小学校など九校を指定した。今回の指定で、二十四年度指定分から合わせて...

(2016-06-01)  全て読む

後期中等教育段階の特別支援検討委 スムーズな情報共有要望 学校間連携の在り方を協議

後期中等教育特別支援検討委  道教委設置の北海道の後期中等教育段階における特別支援教育に関する検討委員会の第四回会合が二十六日、道庁別館で開かれた=写真=。「学校間連携の在り方」について協議。委員からは、中学校から高校...

(2016-05-31)  全て読む

胆振局がコンプライアンス確立会議 不祥事防止へ共通理解 重点目標・取組など決定

胆振局コンプライアンス確立会議  【室蘭発】胆振教育局は二十五日、むろらん広域センタービルで二十八年度管内コンプライアンス確立会議を開催した。管内市町教委の教育長や、小・中学校長など十九人が出席。不祥事等の再発防止に向けた...

(2016-05-31)  全て読む

コーディネーター研修講座―特セン 連続性ある多様な学びを 北大大学院・安達教授が基調講義

北大大学院安達潤教授  二十八年度「特別支援学校コーディネーター研修講座」(十八~二十日、道立特別支援教育センター)の初日、北海道大学大学院教育学研究院の安達潤教授=写真=が「特別支援学校のセンター的機能の充実と...

(2016-05-31)  全て読む