危機感もち組織律せよ 緊急集会での長岡教育長訓示概要(市町村 2016-06-14付)
職場の風土づくり、環境づくりを呼びかけた
札幌市教委が十日に開いた全市立幼稚園長・市立学校長緊急集会(十三日付12面既報)で、長岡豊彦教育長が訓示した=写真=。訓示の概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
本日お集まりいただいたのは、六月六日に現職教頭が事故を起こしたことについてである。これまで公務員倫理の確立および服務規律の確保については、様々な機会を通じて徹底を図ってきており、昨年もこの時期に緊急集会を開催した。
二十七年度は教職員による不祥事として窃盗未遂事件および傷害事件、わいせつ事故等が発生している。このため、学校と教育委員会が一体となって不祥事根絶に向けた取組を進めてきた。
しかし、残念ながら本年度も新たな事故があり、五月三十一日付で教職員担当部長名による「不祥事防止に向けた取組について」の通知文を発出した。
先ほど申し上げたとおり、六月六日に小学校の教頭が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されるという事案が発生した。あろうことか管理職が引き起こした不祥事。教育委員会として大変重く受け止めている。
折しも砂川市内の国道で、一家五人が死傷した事故が発生してちょうど一年を迎えた日である。その事件は皆さんも心を痛めていると思う。
一家五人が事故に巻き込まれて死傷する非常に痛ましい事故。思いをあらたにしなければならない六月六日に札幌市の管理職が考えられない事故を起こした。
私は、飲酒運転は絶対にあってはならないことと、ことあるごとに周知徹底してきたところである。それにもかかわらず事故が発生することは極めて憂慮すべき事態であり、非常に強い危機感をもっている。
これまでも話しているように、私たち教職員、特に管理職が事故を起こしたとき、日々接している子どもたちにどう受け入れてもらえればいいか。一度失った信頼は二度と取り返すことができない。そうなると子どもたちにも二度と受け入れてもらうことができないのが自明の理である。
また、ともに汗や涙を流した仲間も世間から厳しい目を向けられ、コツコツと懸命に積み上げてきたものが一瞬にして失われることは非常に残念なものである。
本人について自らが起こした事件の責任を取ることは当たり前だが、罪のない家族の苦労・心労は計り知れないと思う。場合によっては、家族の一生を一変させることにもなりうる。
不祥事を起こさないために当然ではあるが、自らを律し、同僚に対しても支え合ってほしい。特に管理職においては、一人ひとりの人事管理をしっかりし、不祥事を起こさない職場の風土づくりを行うほか、職員一人ひとりに対してコミュニケーションをしっかりととるなど環境づくりに努めてほしい。
私はこれまでの仕事でも不祥事に対応し、処分のほか、注意も呼びかけてきた。なぜこのようなことが起きるのか。酒を飲んで運転してはいけないのは、誰もが分かっていること。やってはいけないことと分かっていても幾度となく起こるということは、深刻な問題と思っている。
同僚や部下に自覚を促して二度と問題を起こさないようにマネジメントをしてほしい。不幸な事故を起こさないために、組織的に取り組んでいく必要がある。
今の世の中、子どもの規範意識が低下していると言われているが本当にそうだろうか。子どもは大人の背中を見て育つ。我々大人が手本を子どもにみせて、子どもの規範が低下しているのであれば、危機的な状況にあると思う。学校内、職場内でそういった職員がいたらしっかりと話をしてほしい。
今後もそれぞれが絶対あってはいけない、起こしてはいけないという強い気持ちをもって、これまで以上に取り組んでほしい。
(市町村 2016-06-14付)
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