文科省「首長部局と協働した学校モデル」 SSW軸に支援体制構築 9月に学校プラットホーム設置―東神楽町
(市町村 2016-06-10付)

 【旭川発】東神楽町は九月、町立東神楽中学校にスクールソーシャルワーカー(SSW)を軸とした学校支援体制「学校プラットホーム」を設置する。前年度に引き続き、文部科学省の委託事業「首長部局等との協働による新たな学校モデルの構築事業」を一年間の期間で受託。SSWに加え、「チーム役場」や学校運営協議会などの関係団体をプラットホームに参画させる。これらが協働することで、いじめや不登校、子どもの貧困等の課題解決と予防を図る。その上で、総合的な対策プログラムを策定し、〝東神楽流〟の新たな学校モデルを追究する。

 同事業は、首長部局等や地域・関係機関・家庭が連携した学校支援体制を構築し、いじめや不登校等の子どもの問題や子どもを取り巻く環境、地域特有の直面する課題等の解決を図ることをねらいとしている。

 前年度に一年間の指定を受け、旭川大学と兵庫教育大学が、児童生徒や教職員、町民を対象としたアンケート調査を実施。結果をもとに、「小学校と中学校との合同学習機会の増加」「役場機能の一部学校への移管」などの提案を受けた。

 これを受け、本年度も引き続き一年間の期間で同事業を受託。研究課題に「学校プラットホームを構築し、これをベースに首長部局等との協働によって、具体的、実践的な課題解決に取り組み、総合的対策としてのプロジェクト学習等の策定と実践を行い、効果について検証する」と設定した。

 具体的には、道教委のSSW活用事業を生かし、実践中心校の東神楽中にSSW四人を軸とした学校プラットホームを九月に設置する。そのため、首長部局等との協働組織として、首長部局関係各課職員で構成する「チーム役場」を新たに組織。学校運営協議会や児童福祉等の関係機関とともに、学校プラットホームに参画。併せて、同校に事務職員二人を加配する。

 これらが協働し、同校と町内四小学校におけるいじめや不登校、虐待、子どもの貧困などの予防および解決を図る。

 加えて、学校や地域間格差の解消に向けた実践にも着手。SSWを中心に総合的な対策プログラムを策定するとともに、小・中学校の連携による合同学習機会の拡大、チーム役場との協力による課題解決型学習教材の開発を進める。

 さらに、児童生徒を対象に旭川大学によるアンケート調査を実施し、前年度の結果と比較しながら分析・検証する。

 今後は、六月と十一月、二十九年二月に推進協議会、九月と十一月、二十九年二月にプラットホーム運営協議会を開催。このほか、三回のチーム役場運営委員会、五回の研究事業研修会を予定している。

 水野和男教育長は「いじめや不登校等の課題への対応のほか、その予防に向けた日々の学校生活の在り方を研究していく。そうすることで、東神楽流の新たな学校モデルを構築できれば」と話している。

(市町村 2016-06-10付)

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