教員の英語力など向上に向けて道教委 新たな支援策検討へ 英検等と連携し資格取得促進
(道・道教委 2016-09-21付)

 道教委の柴田達夫教育長は、教員の英語力と指導力の向上に向け、英検などの資格試験団体と連携し、資格取得を促進する新たな支援策の検討に入る考えを明らかにした。本道における英語教育について、「道立高校を卒業するすべての生徒に、英語で、少なくとも日常的なコミュニケーションができる力を確実に身に付けさせる」と独自の到達目標を設定。その実現のためには、「教員の英語力や指導力の向上が不可欠」であることから、英語に関する研修の拡充に併せ、資格取得の支援に当たることにした。十六日の三定道議会代表質問で、松浦宗信議員(自民党・道民会議)の質問に答えた。

 英語教育にかかわって柴田教育長は、七月に開かれた本年度第一回北海道総合教育会議において、「グローバル人材の育成は道教委としても重要な使命」との認識を示し、取組の重点の一つとして、「小・中・高それぞれの段階で、北海道のスタンダードとなるような具体的な目標を設定するとともに、最終的には、道立高校を卒業するすべての生徒に、英語で、少なくとも日常的なコミュニケーションができる力を確実に身に付けさせることを到達目標として、各種の取組を進めていきたい」と述べていた。

 代表質問では、松浦議員が「指導に当たる教員がしっかりとした英語力と指導力を備えることが欠かせない。しかし、文部科学省が実施した二十七年度英語教育実施状況調査によると、本道における英検準一級以上の資格をもつ英語担当教員の割合は、全国に比べ、かなり低い」と指摘。総合教育会議で教育長が示した目標の達成のため、「英語教員の資格取得に向けた取組を促進するなど、道教委として、積極的に対応する必要がある」と述べ、教育長の見解をただした。

 柴田教育長は「グローバル化が急激に進展する中、本道の将来を担う子どもたちに、ふるさとへの誇りや愛着をもちながら、豊かな国際感覚を身に付けさせ、具体的に行動できる資質や能力を育成することは重要な課題」と述べた。その上で、総合教育会議で掲げた到達目標をあらためて説明し、「その到達度を把握しながら、様々な取組を進めることによって、本道の子どもたちの英語力の向上に努めていく」との考えを示した。

 英語教育の充実には、「教員の英語力や指導力の向上が不可欠」であることから、「小学校英語の教科化などを見据え、道と姉妹提携のあるカナダ・アルバータ州の大学教授による実践的な研修や、小・中・高の各段階における英語教育推進リーダーによる研修を拡充する」と述べた。

 また、「英検などの資格試験団体と連携し、教員の資格取得を促進する新たな支援策を検討するなどして、教員の英語力などの向上を図り、英語教育の充実に努めていく」と答弁した。

(道・道教委 2016-09-21付)

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