札幌工業高創立１００周年記念式典　高い志もった工業人育成　１６００人が新たな門出祝う

（学校 2016-10-06付）

「紡ぐ、百年の感動を未来へ」をテーマに開催

　札幌工業高校（池田尚志校長）の創立百周年記念式典が一日、札幌市内のニトリ文化ホールで執り行われた＝写真＝。「紡ぐ、百年の感動を未来へ」をテーマに、来賓、同窓生、在校生約一千六百人が出席。池田校長は式辞で、「人間性あふれる高い志をもった工業人、社会人を育成していく」「新しい伝統を未来に向けて紡いでいく」と高らかに宣言した。

　同校は大正五年十月、採鉱科、機械科、木工科を有する道庁立札幌工芸学校として設立。九年には札幌工業学校に。昭和二十三年には道立札幌工業高校に改称し、二十四年には定時制課程の札幌市立工業高校と統合。二十五年には商業科を併置して道立札幌伏見高校に改称。三十年には商業科を分離し、定時制課程の札幌創成工業高校と統合し、工業科の単置校・札幌工業高校として現在に至っている。

　今日まで、卒業生約三万人を送り出し、本道の産業開発を担う工業人材の育成を担う役目を果たしてきた。

　式典では、池田校長が、同校の百年に及ぶ歴史を振り返るとともに、グローバル化や、情報化、少子高齢化などの進展とともに、様々な課題を抱える社会において、「子どもたちの六五％は将来、“今は存在しない職業に就いている”と予測されている」と説明。その上で、「子どもたちが未来に向けて自らの人生を切り開き、将来に夢と希望をもって生き抜く力をどのように育てるのかが問われている」と強調した。

　さらに、「これからも百年の感動を未来へ紡ぎ、来たるべき新たな時代に向けて決意を新たにし、本道の工業教育の発展と若人の充実した人生を願い、新たな一歩を踏み出す年としたい」「人間性あふれる高い志をもった工業人、社会人への成長を願っている」と式辞を述べた。

　創立百周年記念事業協賛会の青木勇夫会長のあいさつに続き、道教委の橋場弘之委員が祝辞を述べた。

　青木会長は「多くの先輩達が築いてきた百年の歴史と伝統を引き継ぎ、新たな一ページを夢と希望をもって築いてほしい」と要請。

　橋場委員は「知識・技術のみならず、高い人間性を備えた工業人・職業人・社会人を目指し、これまで以上に充実した学校生活を送ってほしい」とエールを送った。

　在校生を代表して、全日制生徒会長の内村友紀君、定時制生徒会長の村岡錬磨君が「これまでの歴史・伝統・誇りを次世代の札工に通う生徒に引き継ぐことが私たちの使命。これからの課題に対応して、自分には何ができるのか、どのように行動していくべきかを高校生活の中で模索し、前向きに人生を歩み、社会に貢献できるよう努力していく」と力強くあいさつした。

　記念式典終了後は、会場をロイトン札幌に移し、祝賀会を開催、出席者全員で、百周年の喜びとともに、新たな門出を祝った。

(学校 2016-10-06付)