【解説】日本の教員の待遇と勤務時間
(解説 2016-10-14付)

 経済協力開発機構(OECD)が公表した加盟国の教育政策を分析した報告書『図表でみる教育2016』によると、教員の待遇について、日本は他の加盟国に比べ、経験のある教員の給与は高いものの、初任給は低く、また、勤務時間が大幅に長い反面、授業時間は加盟国の平均を下回ることが分かった。教員に占める女性の割合は四八%と、比較できる三十二ヵ国中、最も低い数値だった。

 二〇一四年における日本の勤続十五年の初等・中等教育の教員の年間法定給与は、平均で四万九千三百七十八㌦と、OECD平均(初等四二、六七五㌦、前期中等四四、四〇七㌦、後期中等四六、三七九㌦)を上回っている一方、前期中等教育段階における初任給は、平均年間二万八千百一㌦で、OECD平均(三二、四八五㌦)を下回っている。

 また、二〇〇五~二〇一四年に、OECD加盟国では平均して初等教育段階で四%、前期中等教育段階で三%、後期中等教育段階で一%、教員の給与が増加しているのに対し、日本では、この間に勤続十五年の教員給与が七%減少した。

 二〇一四年における日本の国公立学校教員の法定勤務時間は教育段階すべてで一千八百九十一時間と、OECD平均(初等一、五八五時間、前期中等一、六〇九時間、後期中等一、五八八時間)よりも三百時間程度長い。

 これに対し、授業時間数そのものは、初等七百四十二時間、前期中等六百十一時間、後期中等五百十三時間と、OECD平均(初等七七六時間、前期中等六九四時間、後期中等六四四時間)よりも短い結果となった。

 この勤務時間と授業時間の隔たりについて、報告書では「日本では授業の準備、教育相談、課外活動、事務業務、生徒指導、職員会議などの授業以外の活動に非常に多くの時間が費やされている」と分析している。

(解説 2016-10-14付)

その他の記事( 解説)

【解説】 大学生 就活費用 全国平均で16万円

 来春卒業見込みの大学生の就活費用は、全国平均で約十六万円にのぼることが新卒採用支援事業を展開する〓サポーターズ(東京)の実態調査で分かった。地方の学生の平均費用は、関東の学生よりも約六万円...

(2016-10-21)  全て読む

【解説】9月末の少年非行等概況―道警

 道警本部少年課は、ことし九月末における「少年非行等の概況」をまとめた。  検挙・補導された非行少年は九百六十九人(うち女子百五十九人)で、前年同期に比べ二百十四人、一八・一%減少した。 ...

(2016-10-20)  全て読む

【解説】今春卒の初任給、大卒21万円台

 日本経済団体連合会と東京経営者協会は、二十八年三月新規学卒者の初任給調査の結果を公表した。大学卒の初任給は、事務系二十一万三千八百九十二円、技術系二十一万三千六百七十七円。初任給を引き上げ...

(2016-10-19)  全て読む

【解説】2次試験は2日間に―英検

 日本英語検定協会は、二十九年度から実用英語技能検定の二次試験を二日間日程で行うことを決めた。部活動の公式大会や学校行事などで日程が重複することに配慮したもの。新日程によって、大学や高校受験...

(2016-10-18)  全て読む

【解説】少子化社会に関する意識調査

 日本は海外に比べ、「複数の子どもがほしい」という希望は高いものの、子育て費用や働く環境の不安から、すでに子どもをもつ人が二人目以降の子どもをもつことをためらう傾向が強いことが、内閣府が行っ...

(2016-10-17)  全て読む

【解説】 残業80時間以上 企業の2割

 厚生労働省は七日、平成二十六年に成立した「過労死等防止対策推進法」に基づき、過労死の現状や防止対策の状況をまとめた初の『過労死等防止対策白書』を公表した。過労死や過労自殺の労災がここ数年、...

(2016-10-13)  全て読む

【解説】子どもの人権SOSミニレター配布

 全国の法務局・地方法務局および都道府県人権擁護委員連合会では、平成十八年度から、送信用封筒と便箋を一体化し、料金受取人手続を施した「子どもの人権SOSミニレター」(小学生用および中学生用の...

(2016-10-12)  全て読む

【解説】公務運営に関する報告

 道人事委員会は七日、道議会議長、知事に対し、給与勧告を行うとともに、公務運営に関して報告した。「採用から退職までの視点に立った人事管理」と「その他の執務環境に関する課題」の大きく二つのテー...

(2016-10-11)  全て読む

【解説】10代のスマホ利用率は82%

 平成二十七年における十代のスマートフォン利用率が八二・〇%と、前年と比べて一〇ポイント以上増加したことが、総務省の調査結果から明らかになった。  情報通信メディアの利用時間と情報行動に関...

(2016-10-07)  全て読む

【解説】29年度国公立大学入選概要

 文部科学省は四日、国立大八十二校、公立大八十六校の二十九年度入学者選抜の概要を発表した。アドミッション・オフィス(AO)入試を実施するのは全体で前年度から四校増の七十九校、推薦入試は全体で...

(2016-10-06)  全て読む