地域創生への貢献目指し　第３８回全国公民館研究集会道大会

（関係団体 2016-10-20付）

講演やパネルディスカッションなどを通して、研鑚を深めた

　【函館発】全国公民館連合会(石川正夫校長)・道公民館協会(川上満会長)は六日から二日間、鹿部町の鹿部中央公民館で第三十八回全国公民館研究集会北海道大会・第六十回道公民館大会を開催した＝写真＝。道内の公民館関係職員、社会教育委員など百四十七人が参加。講演、パネルデイスカッションなど通して、公民館の現状把握と社会教育の充実に向けて研鑚を積んだ。

　大会テーマは、「地域創生に求められる公民館の役割～首長部局と協働の在り方を問う」。地域創生の実現に向けて、首長部局と地域住民や団体とのかかわりをコーディネートする役割が求められていることについて理解を深めるとともに、「まちづくりの強力な担い手としての公民館」の実現に向けて研究協議するもの。

　はじめに、川上会長があいさつ。少子高齢化や地域創生に向けた取組に協力を求めるとともに、「今は地方の支援と努力が試される時代。公民館が先頭に立ち、人づくり・まちづくりを行うことで支え合うまちづくりを引っ張ってほしい」と期待した。

　続いて、文部科学省生涯学習政策局社会教育課長の西井知紀氏が祝辞に立ち、「地域全体の活性化に向けて公民館への期待は大きくなっている。社会教育の発展に向けて頑張ってほしい」と話した。

　このあと、西井氏が「地方創生に求めらる公民館の役割」と題して、①地方創生に向けた取組②経済・財政一体改革の動向③文科省の取組―の三点について行政説明した。その上で、今後の課題として、「公民館での社会教育の発展に向けて、中心となる担い手の育成やワークショップなどの情報発信の強化」などを挙げた。

　続いて、北海道大学学務部長の出口寿久氏が「地域とともにある学校づくり～コミュニティ・スクール(CS)と地方創生に」と題して説明した。

　出口氏は、東京や福岡などの学校の実例を紹介しながら、CS導入の成果について説明した。東京の小学校では、小中一貫した教育を地域の学校運営協議会と行うことで、児童の学力が向上した事例を紹介。福岡の中学校では、生徒指導上の課題解決に向けて、CS間で課題を共有し、地域パトロールなどを行うことで、年間の補導件数が約一千件減少したなどの成果を示した。

　その上で、「公民館がCSの活動に関係することで、互いの活動を活性化することができる」と呼びかけた。

　このあと、パネルディスカッションを行い、地方創生における公民館の役割について理解を深め合った。

　二日目は、「小規模多機能自治組織と地方創生」「社会教育と地方創生」「防災と地方創生」についてそれぞれ分科会を開催した。

(関係団体 2016-10-20付)