道議会文教委の質問・答弁概要(28年10月6日)(道議会 2017-01-24付)
道議会文教委員会(二十八年十月六日開催)における田中英樹委員(公明党)、丸岩浩二委員(自民党・道民会議)、川澄宗之介委員(民進党・道民連合)の質問、および杉本昭則教育部長、梶浦仁学校教育監、村上明寛総務政策局長、岸小夜子学校教育局指導担当局長、伊賀治康教職員課服務担当課長、鈴木淳義務教育課長の答弁の概要はつぎのとおり。
◆全国学力・学習状況調査
田中委員 本年度の全国学力・学習状況調査の結果については、正答数の少ない子どもの割合が減り、中学校数学で差が一ポイント未満となるなど改善がみられるものの、すべての教科で全国平均に届かなかったことから、より一層、学力向上の取組を進めていく必要があると考えている。
子どもたちがもっている力を十分に発揮するためには、学校の授業改善はもちろんだが、学んだことを繰り返し振り返ることで、しっかりと定着させたり、自ら進んで学ぶ意欲を高めたりするため、家庭での生活習慣や学習習慣をしっかりと身に付けさせることが必要であると考えており、これまでも、こうした観点から質問してきた。
そこで、このたびの調査結果についても、いくつか質問させていただく。
まず、本道の子どもたちには、これまで、テレビやゲームをする時間が長く、家庭学習の時間が短い傾向にあることが課題となっていた。本年度の調査結果における本道の子どもたちの家庭での生活習慣や学習習慣について、どのような状況になっているのか伺う。
鈴木義務教育課長 生活習慣等の状況について。本年度の児童生徒質問紙調査の結果では、「普段、一日当たり三時間以上、テレビ等を見る」と回答した児童生徒の割合は、小学校で三六・五%、中学校で二五・八%であり、昨年度と比べ、小学校で三・一ポイント、中学校で六・五ポイント低く、全国と比べ、小学校で三・七ポイント、中学校で一・七ポイント高い状況である。
また、「普段、一日当たり一時間以上勉強する」と回答した児童生徒の割合は、小学校で五四・七%、中学校で六一・八%であり、昨年度と比べて、小学校で〇・一ポイント、中学校で一・二ポイント低く、全国と比べ、小学校で七・八ポイント、中学校で六・一ポイント低い状況である。
このような状況から、本道の子どもたちは、テレビの視聴などの生活習慣には改善がみられるものの、依然として、学習内容を確実に定着させるために必要な家庭学習の時間は十分ではなく、学習習慣に課題がみられる。
田中委員 家庭学習の時間については、なかなか改善されていない状況にあるようだが、子どもたちが主体的に家庭学習の時間を確保するとともに、授業と家庭学習をつなぐ宿題の工夫も必要ではないかと考えるが、道教委としては、どのように考えているのか伺う。
鈴木義務教育課長 宿題の工夫について。本年度の学校質問紙調査の結果では、「家庭学習の取組として、調べたり文章を書いたりする宿題をよく与えた」と回答した学校の割合は、小学校で二七・八%、中学校で二〇・八%であり、昨年度と比べ、小学校で三・一ポイント、中学校で一・八ポイント高い状況である。
一方、「国語の指導として、家庭学習の課題をよく与えた」と回答した学校の割合は、小学校で八一・五%、中学校で四五・三%であり、昨年度と比べ、小学校で二・七ポイント高く、中学校で三・二ポイント低い状況である。
また、「算数・数学の指導として、家庭学習の課題をよく与えた」と回答した学校の割合は、小学校で八四・二%、中学校で五三・七%であり、昨年度と比べ、小学校で一・八ポイント高く、中学校で一・九ポイント低い状況であり、中学校における宿題について改善する必要があると考えている。
このような状況から、小・中学校ともに宿題の内容を工夫する取組は、改善の傾向がみられるものの、国語や算数・数学の宿題の量や回数については、十分ではないことから、今後、学校と家庭との連携を通して、家庭学習の取組が一層充実するよう指導助言していく。
田中委員 子どもたち一人ひとりに学力を身に付けさせるためにも、学校が家庭と連携して、子どもたちの家庭での生活習慣を確立していくことが重要だが、道教委では、昨年度からこれまで、どのように取り組み、今後、どのように取り組むのか伺う。
岸学校教育局指導担当局長 生活習慣等の確立に向けた取組について。道教委では、子ども一人ひとりに社会で自立するために必要な学力を育成するためには、主体的に適切な時間配分について考え、規則正しい生活習慣を身に付けさせることも大切と考えており、これまで、学校や家庭に対し、生活リズムチェックシートや、子どもの成長に合わせた保護者の適切なかかわり方を示した資料を活用し、家族で一緒に生活習慣を改善する取組を促してきた。
今後は、生活習慣や家庭学習に関する質問紙調査の回答状況と教科に関する調査の関係などを多角的な観点から分析し、その結果も踏まえながら、生活習慣等の確立に向けた資料を作成するとともに、PTAの研修会や子どもたちの学力について考える会など様々な機会を通じ、保護者の方々とも積極的に意見交換を行うなどして、望ましい生活習慣や学習習慣の確立に向けて市町村教育委員会や学校と連携しながら取り組んでいく考えである。
田中委員 PTAなどと連携しながら、望ましい学習習慣などの確立に努めるとのことであるが、学力向上については、学校と家庭の連携はもとより、家庭を含めた地域の教育力を活用することも必要ではないかと考える。
地域の実情は様々であると思うが、それぞれの地域が、特色を生かし、地域全体で子どもの学びを支援していくことが大切であると考える。
私の地元の釧路では、多くの地域住民が主体となり、それぞれの持ち味を発揮し、子どもたちの学習支援や体験活動の充実を図る取組が行われており、また、道内のほかのまちでも、地域の特色を生かして子どもへの支援を行う取組が進められているなど、様々な形で、学校、家庭、地域の連携を広げ、子どもの学びを支えている状況がみられている。
このように、広大な北海道であればこそ、それぞれの地域において、学校、家庭、地域が、目指す子育ての姿を共通に理解し、地域人材や地域教材などの地域の教育力を活用して、子どもの育成を進めることが必要であると考えるが、道教委としての考えを伺う。
梶浦学校教育監 地域の教育力の活用にかかわり、学校、家庭、地域の連携について。人口減少や少子高齢化など、社会が急激に変化する中、子どもたちに、これからの時代を生き抜く力を育むためには、学校と家庭、地域が目標や課題を共有し、地域総がかりで、子どもたちを育むことが重要であると考えている。
そのため、道教委では、これまで保護者や地域住民が学校運営に参画し、学校と地域が力を合わせて子どもの成長を支えるコミュニティ・スクールの導入の促進を図り、地域とともにある学校づくりの推進に努めるとともに、地域住民がボランティアとして学校の教育活動を支援する「学校支援地域本部事業」や、地域住民が協力し補充的な学習を支援する「子ども未来塾」などの充実を図ってきている。
道教委としては、今後、こうした取組の一層の推進に努めるとともに、地域住民等が主体的に参画する学習支援や体験活動等に取り組む市町村の実践事例のほか、十月二十一日に開催する全国的なコミュニティ・スクール推進フォーラムの成果等を取りまとめ、各市町村教育委員会や学校に情報提供し、さらにそれを広く普及するなどして、学校と家庭や地域が連携・協働し、一体となって子どもの学びを支援する取組の充実に取り組んでいく考えである。
―指摘―
田中委員 今後も、本道を担う子どもたちが、望ましい生活習慣の確立によって、しっかりと基礎学力を身に付けるために、学校、家庭、地域の連携を広げて、地域に貢献できる人材育成に取り組んでいただくことを指摘する。
◆信頼される学校づくり
丸岩委員 二十八年七月の参議院議員選挙から、選挙権年齢が十八歳に引き下げられた。総務省の調査によると、同選挙においては、高校生を含む十八歳の投票率は約五一%であった。全体の五四%には至らなかったが、一方、二十代の三〇%台という投票率に比べると非常に高い投票率である。高校生の政治に対する関心の高さがうかがわれる。
そうした状況をみると、高校における、政治的教養を育む教育の重要性があらためて認識され、それを指導する立場の教員においては、政治的中立性の確保に十分留意しながら指導に当たることが求められる。
こうした中、二十八年四月に道立高校の教員が、生徒に対し、安全保障法に反対・廃止を求める署名への協力依頼のビラを配布したのち、署名活動を行うという行為が発生したことについて、五月の文教委員会でも議論させていただいたが、信頼される学校づくりを行っていくためにも、このことについては、しっかりと議論を重ねることが重要と考えるので、以下、質問する。
二十八年五月の文教委員会における答弁では、今後、詳細な事実関係を確認するとのことであった。どのような事実関係があったのか伺う。
伊賀教職員課服務担当課長 詳細な事実関係について。二十八年四月二十六日の朝、胆振管内の道立高校の教員二人が登校する生徒に対して、安全保障法に反対・廃止を求める署名への協力を呼びかける、職員団体名が記載されたビラを配布した。
その後、同日の放課後、ビラを配布した教員のうち一人が、下校する生徒に署名の協力を求める声かけを行い、同校の生徒二人が署名した。
なお、これらの行為は、年休を取得の上、学校敷地外で行っているとはいえ、生徒の登下校時に学校の校門前において、勤務時と変わらない服装によって生徒を対象に行っており、その場にいた生徒はもとより、保護者や地域住民には、一見して学校の教育活動と区別を付けることはできない状況にあった。
丸岩委員 説明があったような行為は、政治的教養を育む教育の重要性の上からも、公正で中立な立場で生徒を指導すべき教員としてあってはならないことであるのは言うまでもない。道教委は、事実関係を確認したあと、法令などに違反する行為があった場合には、厳正に対処するとのことであったが、どのように対処したのか伺う。
村上総務政策局長 行為への対処について。今回の行為は、年休を取得して、学校敷地外で行ってはいるものの、自校生徒を対象として、多様な意見がある問題に関し、特定の立場に立った見解のみを記載したビラの配布や署名活動を行っていたもので、公正かつ中立な立場で生徒を指導すべき教員として、政治的中立性を欠くと疑わしめる行為であり、教育公務員という職、学校および学校教育に対する生徒、保護者をはじめ、道民の信用を損ねるものであることから、道教委として、昨日、当該教員二人の訓戒措置を行った。
丸岩委員 服装が違うとか、学校の敷地外であったということは理由にはならないわけであり、生徒からすれば、教員は教員である。今回の事案を踏まえ、今後、教育現場において、公立学校の教員が、公正や中立性を欠くと疑われる行為を行うことのないよう、服務規律を徹底すべきと考えるが、道教委としての考え、どのように指導していくのかを伺う。
杉本教育部長 今後の対応について。教員は、その言動が生徒の人格形成に与える影響が極めて大きいことから、学校の内外を問わず、その地位を利用して特定の立場に立って生徒に接するべきではないことなどから、二十七年十一月に通知を発出し、政治的教養の教育に関する指導上の留意事項を示すとともに、本事案発生後も、校長会の会議などで、こうした事例が生じないよう指導してきた。
道教委としては、年休中、校舎敷地外であっても、このたびの事案のような行為は、認められるものではない。
公正かつ中立な立場で生徒を指導すべき教員として、学校教育に対する道民の信用を損なうことのないよう、あらためて、すべての道立学校および市町村教育委員会に対して通知を発出し、こうした認識を徹底して、服務規律の保持に万全を期していく考えである。
また、教員については、職員団体活動として行う行為であっても、服務上の制約があることを職員団体に強く申し入れていく考えである。
―意見―
丸岩委員 今回、十八歳に選挙権が引き下げられた。投票率は五一%であったが、政治に関心が薄いという若年層に、これから関心を高めてもらうために、大変いいきっかけにしなくてはならないと考える。その上においても、教育の公正性や中立性を踏まえた指導が大変重要性を増してくると考えられることから、道教委の教育現場に対しての徹底した指導をお願いする。
◆土曜授業について
川澄委員 本年度も、土曜授業にかかわる推進事業が行われていると理解している。本年度の推進事業の実施校数はどのようになっているのか、また、年間、多い学校でどの程度行っているのか伺う。
鈴木義務教育課長 土曜授業推進事業の実施状況について。道教委では、質の高い土曜授業の実施に資するため、二十六年度から効果的な指導方法やモデルカリキュラムの開発等を行う学校を実践校として指定し、本事業を進めてきており、実践校については、二十七年度は小・中学校と中等教育学校で計二十校、二十八年度は小・中学校で計十八校となっている。
また、各実践校では、学校や地域の実態等に応じて実施計画を作成しており、実施予定回数については、年十回が小学校九校、中学校四校、年十一回が小学校二校、年十二回が中学校二校、最も多い年十三回を予定している学校が小学校一校となっている。
川澄委員 土曜授業であるので、家庭の事情等で欠席する子どもたちもいると考えているが、子どもたちの出席状況はどのようになっているのか、また、欠席理由について調査したのかを伺う。
鈴木義務教育課長 子どもたちの出席状況等について。実践校における二十八年四月から九月までの子どもたちの出席状況や欠席理由については、市町村教育委員会を通じて把握したところ、実践校十八校中、十五校が、土曜授業の出席状況等が通常の授業日とほぼ同様であると回答しており、三校が、スポーツ少年団や家庭の用事でそれぞれ十人程度欠席した日があると回答している。
川澄委員 土曜授業にかかわって、私も昨年度、委員会の中で質問させていただき、その内容や保護者への周知といった問題について、丁寧に努めていくといった答えをいただいた。
実際の土曜授業の状況で、本年度になって、指定校以外にも、自治体の判断で取組を進めている市町村が出てきているとも聞いている。
子どもたちから話を聞いていく中で、これまで土曜日に参観日や様々な地域公開を行えば、その分の振替があったが、土曜授業になって振替がないことにとまどっている声を聞いている。これまで土曜日に行っていた授業参観等を、そのまま土曜授業として実施している可能性があるところも、中にはあると聞いている。これは、土曜授業の趣旨とは異なっていると思う。保護者等にとっては、月曜日から金曜日の授業の延長線上で時間数を確保するためにやっているのかととらえられかねないと思っている。この点についての認識を伺う。
鈴木義務教育課長 土曜授業の趣旨について。土曜授業は、子どもたちが土曜日を有意義なものとして過ごすことができる豊かな環境を整える方策の一つとして、学校において多様な学習や豊かな体験活動などの充実した学習機会を提供しているものと認識している。
各実践校では、土曜授業の実施に当たり、事前に保護者や地域の方々、児童生徒に、土曜授業の意義や内容、実施回数などを十分説明するとともに、保護者等の意見や要望を聞くことなどが、積極的に行われており、道教委では、今後、土曜授業を実施する実践校以外の学校に対しても、保護者や地域への情報提供などが確実に行われるよう、指導助言していく。
川澄委員 学校五日制の趣旨のもとで、土曜授業が行われることになっているが、実施している学校の授業内容について、どのような形で行われているのか、把握している内容について聞かせていただきたい。
鈴木義務教育課長 各実践校の授業内容について。各実践校では、「学校、家庭、地域が連携し、役割分担しながら社会全体で子どもを育てる」という学校週五日制の趣旨を踏まえ、子どもや地域の実態に応じた特色ある土曜授業が行われており、例えば、地域の協力を得て行う国語や算数・数学の授業、外部講師を招いた道徳の授業、地域の人材を活用した茶道体験や調理実習、保護者や地域住民とともに行う清掃活動や農業体験など、様々な学習機会が提供されている。
―再質問―
川澄委員 実践校では、学校五日制の趣旨を踏まえた上で、実施、工夫している点については理解した。
ただ、実践校以外に取り組んでいる内容を聞いていくと、通常どおりの国語や算数の授業をそのままやっている状況であるとか、その他教科の時数を確保しようといった状況もみられていると認識している。
土曜授業を行うのであれば、学校五日制の趣旨を踏まえた上で、特に、実践校以外の授業内容の充実に向けて、今後、どのように取り組むのか伺う。
鈴木義務教育課長 実践校以外の授業内容の充実について。各実践校においては、先ほど申し上げたとおり、「学校、家庭、地域が連携し、役割分担しながら社会全体で子どもを育てる」という学校週五日制の趣旨を踏まえ、子どもや地域の実態を踏まえて特色ある土曜授業が行われており、道教委では、こうした事例を、今後、モデルカリキュラムとして取りまとめ、Webページに掲載し、実践校以外の学校にも情報提供するとともに、各管内で行われている市町村教育委員会の教育長会議や校長会議等において、教育局職員が土曜授業の趣旨をあらためて説明するなどして、道内で実施される土曜授業の充実に向けて支援していく。
―意見―
川澄委員 他県の状況を調べてみると、冊子等を作成して、土曜授業は、こういった中身で行うべきといったものが例示されている。その中で、例えば、普段の授業をそのまま行うことについては、土曜授業の趣旨に反しているので、やることはできない、時数確保のためにやるものではないと明確に説明している。それぞれの自治体で、土曜日の授業の在り方を考えているところもあると聞いている。そういった中で、単なる時数確保ではなく、五日制の理念をしっかりと把握した上でやることを強く求めておきたい。
川澄委員 土曜授業を実施することによって、教職員の週休日の振替が行われると認識している。直近での振替の活用状況はどのようになっているのか伺う。
伊賀教職員課服務担当課長 教職員の週休日の振替等について。土曜授業推進事業実践校十八校の教職員二百五十人が、二十八年度の夏季休業前に行った土曜授業にかかる週休日の振替等については、課業期間中に振り替えた者が六人、夏季休業期間中が百八十八人、課業期間中および夏季休業期間中の両方が五十六人で、すべての教職員が振替を行っている。
―再質問―
川澄委員 振替はすべての教員が行っているとのことで、それは当然のことだと思うが、その中で、課業期間中で振り替えた者は六人しかいないということ、また、夏季休業中と合わせての者は五十六人ということであるので、本来、課業日中に休むべきと思っているが、課業日は休みづらいという結果が出ている。この点についての見解を伺う。
村上総務政策局長 土曜授業のための勤務条件にかかわって、知事部局や教育委員会の職員の週休日の振替等については、当該勤務日の四週間前から八週間後までの期間において行うことができるとされているが、道教委としては、長期休業期間以外の課業中には、授業や部活動があって振替が取りにくいといった教員の勤務の特殊性にかんがみて、人事委員会と協議を行って、二十四年度から、四週間前から八週間後までの期間において、週休日の振替等ができない場合に、直近の長期休業期間中に振り替えることができる取り扱いをしている。
―再々質問―
川澄委員 取りづらいという状況を認識しているので、拡大して直近の長休中に取れるようにしたと認識している。
ただ、本来であれば、教員の週休は土日となっているので、課業日中に振替を取れるのが一番望ましいと思っている。課業期間中に取りやすい環境をつくるべきだと考えているが、この点について、再度伺う。
村上総務政策局長 週休日の振替等について。先ほど答弁させていただいたような制度を用いているが、こうした中にあっても、教職員の週休日の確保の観点からも、できる限り、勤務日を含む同一週内において行うことが望ましいと考えている。
―指摘―
川澄委員 そう考えているのであれば、その点の取組をしっかりと進めていただくことを強く指摘しておく。
川澄委員 現状、振替を取るというのは半日の回復であるから、一回、土曜授業を行ったら、その分、半日、四時間になるが、回復を取るという形になっている。こういった中、土曜授業を行っている先生方から聞くと、北海道では二回分の振替を活用しても一日分の振替にできず、使い勝手が非常に悪いと聞いている。また、二日、土曜授業を行った場合、それを一日として振替を活用できるということで、条例改正している県がある。
こういった中、一日休もうと思っても、振替を半日しか使えない、足し算できないことから、その分、年休を使って一日にする。半日休むことはなかなかできないから、午前中だけ休んで午後から来ることは、ほとんどの先生はやっていない。取るのであれば一日で取りたいと考えている。他県では、二回実施した際に、振替を合わせて一日の活用が可能となっている。早急に条例改正と制度改正を進めるべきと考えるが、見解を伺う。
村上総務政策局長 教職員の勤務の振替にかかる制度について。週休日の振替等については、道学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例によって、その単位は一日または四時間となっている。例えば、土曜授業などによって四時間勤務を二回行った場合には、合わせると八時間となること、また、三時間四十五分の振替はできないことから、合わせて一日の振替とすることはできない状況となっている。
地方公務員法によって、職員の勤務時間等については、各自治体が条例によって定めることとなっており、また、定める際には、国およびほかの地方公共団体の職員との均衡を考慮しなければならないと規定されている。
現在、国家公務員の週休日の振替等の単位は、人事院規則で一日または四時間となっているが、土曜授業の実施など教職員の勤務の特殊性もあることから、道教委としては、勤務時間の振替にかかわって、他府県の状況を把握していきたいと考えている。
―再質問―
川澄委員 三時間四十五分の振替ができない、合わせて一日の振替ができない。これが、非常に使い勝手が悪いという証拠だと思っている。他府県の状況を把握していきたいとの答えがあったが、把握はすぐにできると考えている。
これについて、まず、把握をいつまでにやるのか目途を示していただきたい。同時に、こういった声が上がっているわけであるから、皆さんの責任のもとで、勤務条件を整えていくことは当然である。条件が整っていないのに土曜授業を推進すること自体が、間違っていると思うので、この把握後、どのように今後進めていくのか、見解を聞かせていただきたい。
村上総務政策局長 教職員の勤務の振替にかかる制度について。先ほども申し上げたが、制度の改正の際には、国や他府県との均衡、制度改正を行った他府県における運用の状況などについて、調査・分析した上で、道の関係部局との協議も必要であると考えており、速やかに他府県の状況を把握していきたいと考えている。
―再々質問―
川澄委員 私は目途を示してほしいと言っているので、その目途を、今、明確にできないのであれば、あとでもよろしいので、いつまでに把握していくのか、それで、どのように検討していくのかをしっかりと示していただきたい。
土曜授業の推進について、有用性は理解しているが、実際にそれをやる側の教員の条件は全く整っていない。条例改正に壁があることは承知しているが、そういった条件を整えない中でやっていくのは非常に問題があると考えている。
道教委として、勤務条件を整えていくために、今後、どんなスタンスに立って、どのように取り組んでいくのか伺う。
杉本教育部長 教職員の勤務条件などについて。道教委としては、これまでも、教職員の勤務条件にかかわっては、例えば、土曜授業などにかかわって、部活動の対外試合引率などもそうだが、週休日の振替期間の長期休業期間までの延長であるとか、また、教職員独特の修学旅行期間中などにおける勤務時間の割振等に関する弾力的な取り扱いなどについての制度改正を行い、その活用状況を把握しながら、順次、その対象業務についても拡大してきた。
今後も、教職員にとって、より働きやすい環境を整備するため、市町村教育委員会などと連携しながら、不断に、時間外勤務等の縮減に向けた具体的な取組を進めていく考えである。
また、こうした取組を進める中で、教職員の勤務の振替にかかる制度についても、他府県における状況等を把握・分析し、校長会や市町村教育委員会から意見などを伺っていく考えである。
(道議会 2017-01-24付)
その他の記事( 道議会)
道議会決算特別委の質問・答弁概要(28年11月10日)
道議会決算特特別委員会(二十八年十一月十日開催)における久保秋雄太委員(自民党・道民会議)の質問、および柴田達夫教育長、杉本昭則教育部長、村上明寛総務政策局長、岸小夜子学校教育局指導担当局...(2017-02-08) 全て読む
道議会文教委の質問・答弁概要(28年11月1日)
道議会文教委員会(二十八年十一月一日開催)における加藤貴弘委員(自民党・道民会議)、川澄宗之介委員(民進党・道民連合)、佐野弘美委員(日本共産党)の質問、および杉本昭則教育部長、村上明寛総...(2017-02-02) 全て読む
道議会各会派が知事に対し要請 本道経済に資する人材を 29年度予算編成に向け
道議会各会派は二十七日、高橋はるみ知事に対し、二十九年度当初予算編成などに関する申し入れを行った。教育関係では、本道経済の発展に資する人材育成、学力・体力の向上、いじめ・不登校問題への対応...(2017-01-31) 全て読む
道議会文教委の質問・答弁概要(28年11月1日)
道議会文教委員会(二十八年十一月一日開催)における丸岩浩二委員(自民党・道民会議)、田中英樹委員(公明党)、佐野弘美委員(日本共産党)、川澄宗之介委員(民進党・道民連合)の質問等、および梶...(2017-01-27) 全て読む
道議会文教委の質問・答弁概要(28年11月1日)
道議会文教委員会(二十八年十一月一日開催)における加藤貴弘委員(自民党・道民会議)、佐々木恵美子委員(民進党・道民連合)の質問、および梶浦仁学校教育監、磯貝隆之学校教育局特別支援教育担当局...(2017-01-26) 全て読む
道議会文教委の質問・答弁概要(28年10月6日)
道議会文教委員会(二十八年十月六日開催)における加藤貴弘委員(自民党・道民会議)、川澄宗之介委員(民進党・道民連合)の質問、および梶浦仁学校教育監、岸小夜子学校教育局指導担当局長、鈴木淳義...(2017-01-20) 全て読む
3定道議会予算特別委の質問・答弁概要(28年10月4日)
三定道議会予算特別委員会第二分科会(二十八年十月四日開催)における安住太伸委員(北海道結志会)、中野渡志穂委員(公明党)の質問、および柴田達夫教育長、北村善春学校教育局長、磯貝隆之学校教育...(2017-01-19) 全て読む
3定道議会予算特別委の質問・答弁概要(28年10月4日)
三定道議会予算特別委員会第二分科会(二十八年十月四日開催)における道下大樹委員(民進党・道民連合)の質問、および柴田達夫教育長、杉本昭則教育部長、原光宏教職員課長、伊賀治康教職員課服務担当...(2017-01-18) 全て読む
3定道議会予算特別委の質問・答弁概要(28年10月4日)
三定道議会予算特別委員会第二分科会(二十八年十月四日開催)における塚本敏一委員(自民党・道民会議)の質問、および柴田達夫教育長、杉本昭則教育部長、磯貝隆之学校教育局特別支援教育担当局長、原...(2017-01-17) 全て読む
3定道議会予算特別委の質問・答弁概要(28年10月4日)
三定道議会予算特別委員会第二分科会(二十八年十月四日開催)における三好雅委員(自民党・道民会議)、畠山みのり委員(民進党・道民連合)の質問、および柴田達夫教育長、梶浦仁学校教育監、岸小夜子...(2017-01-13) 全て読む